中国・貴州、大自然と民族のユニークな魅力紹介、インフラ整備も着々

  • 2005年10月31日
 中国・貴州省人民政府副省長の蒙ケイ良氏を団長に、旅行業界関係者ら33名の観光交流促進代表団が来日し、同省の観光資源の特徴やインフラ整備の状況を説明した。蒙氏は「貴州への外国人訪問者のトップは日本人。近年の日本人訪問者数の成長率も高い。来年は日本での観光PRを積極化したい」と語る。また、中国政府が進める西部大開発プロジェクトの対象となる州に貴州は選ばれており、これまで整備された高速道路や空港など交通網をはじめとインフラ面の充実を強調。ホテルも5ツ星ホテルが2軒、4ツ星が9軒、3ツ星が40軒ほどと充実する宿泊施設もアピールした。
 さらに、蒙氏は、州の魅力を(1)州の73%を占めるカルスト地形の発達、(2)黄果樹をはじめとする約1000ヶ所におよぶ滝、(3)山・水・洞窟・森林の様々な景観が組み合わさりできた景観、(4)言葉・祭り・建築など個々に違うユニークな多民族文化、(5)生物資源として説明。また、四川省や湖南省などの観光資源を多く有する省と隣接することから、観光ルートとしても地理的な利点も強調した。なお、貴州では多民族で構成する州の特徴をアピールできるという考えから、世界各国の少数民族の展示会開催を検討しているという。

 説明会に参加した駐日中国大使館公使の程永華氏は、「日中国交正常化33年が経ち、観光をはじめ各分野で交流の成果が出ている」と語り、「当時中日間の人的往来が9000人であったのに対し、今は430万人」と成果を強調する。一方で、「正直なところ、ここ数ヶ月で訪中外国人数は韓国が日本を上回りトップになった。このため、中日両国、深く、そして幅広く発展させないといけないと心から思っている」と述べ、「民間交流を通じて国と国との関係を深められると思う」と交流促進に期待を示した。また、自由民主党・全国旅行業協会(ANTA)会長の二階俊博氏も挨拶に立ち、程氏に「中国人団体観光旅行への査証発給対象地域の全土へ拡大する際、自民関係者の集いで日中間の交流を深めるために互いに努力し、日本もやるべきことはやろうと示唆に富む話しをしてくれたこと、憶えている」と感謝の意を伝えた。また、「交流は平和のパスポートだ」と語り、「交流が続くことは平和の確認をすること。これに従事する旅行業関係者は大事な仕事に就いている。日中の関係を高く評価し労をねぎらいたい」と業界に対し、日中間の交流促進とともに、両国に大きな貢献を果たしていることを強調した。