スリランカ、来年の日本への予算を倍増、今年は40%増を期待

  • 2005年5月30日
 スリランカ政府観光局は来年、日本向け予算をこれまでの倍以上となる150万米ドルを投入する。スリランカ政府観光局局長のウダヤ・ナナヤッカラ氏によると、来年の中頃まで本局が直接管轄する。日本人のスリランカへの訪問者は津波の影響を受けて1月、2月と減少したものの、3月は前年比8.5%増の1617人、4月は36.5%増の1335人を記録。ナナヤッカラ氏は「この状況が続けば、前年比40%増の日本人訪問者が期待できる」と強気の見通しだ。
 スリランカへの外国人訪問者数は昨年、過去最高の56万人を達成したものの、「津波がなければ58万人を達成できたと思う」として、各種のプロモーションを通し、全世界からの訪問者の目標は60万人と設定。スリランカ政府観光局はスリランカ航空(UL)、および観光関連業と共同で「スリランカ再発見(Rediscover Sri Lanka)」と題する世界規模の広告キャンペーンを開始しているが、5月中旬から3ヶ月間で410万米ドル(約4億3000万円)を予算組み。1月から4月までの累計では前年比3%増の16万7511人とハイペースで集客しており、今回のキャンペーンで津波による風評被害を一掃すると共に観光復興の中核事業と位置づけている。
 ナナヤッカラ氏は現在、スリランカの第4位の産業である観光業を「2010年までに第1位の産業へと発展させたい」とし、2010年までにホテルの総客室数を1万1000室増とする計画を紹介。目標達成に向け、5つのリゾートをスリランカ国内に開発、場所はコロンボ空港北のカルピティア、キャンディ、レッドゥワ、東海岸のアルガンベの4ヶ所、および現存するシギリアのリゾートを拡張するという。また、ナビックではODAで、日本式のホテルを建設する計画が進んでおり、来年2月に契約、調印する予定だ。

▽新たにビーチ、ウェディング・ハネムーンのデスティネーションを打ち出す
 プロモーションについては「文化や歴史的遺産、世界遺産、紅茶などに加え、スリランカには豊かな森林、ビーチなど多様な魅力が存在する」とアピール、今後はビーチ、ウェディング・ハネムーンを紹介していく意向だ。ビーチについては、「国際的なサーフィン大会が近年スリランカで開催されており、サーファーの憧れの地として有名になってきた」と述べ、観光局、現地のオペレーターなどとビーチで楽しむ旅行商品の開発を進める。そのほか、「スリランカの伝統的な仏教スタイルの挙式やビーチでのウェディングがイギリス人やオーストラリア人のウェディングデスティネーションとして人気。ウェディングをスリランカで挙げたカップルはハネムーンにモルディブに行くことを勧める」と語り、ウェディングマーケットとしての可能性も視野に入れている。
 なお、スリランカ航空(UL)は来年4月から、今年就航を予定していた関西/コロンボ線が週3便で就航する方向。