カンボジア大使、日本からの観光客の増大に期待感示す、課題も認識

  • 2005年5月19日
 在日本国カンボジア王国大使館特命全権大使のプー・ソティレアッ氏がこのほど、インドシナ観光促進協議会(ITPF)で観光産業の発展や日本からの訪問者増に向けた施策について意見交換を行った。ソティレアッ氏は3月に日本に着任。経歴としてカンボジア国会議員として文化、教育、観光についての委員会で議長を務め、観光に対する造詣は深い。ソティレアッ氏は経済成長のため、観光の果たす役割は重要との認識を示し、今後の日本からの観光客の増大に期待感を示す。特に、「人々の暖かさ、伝統や文化、アンコール・ワットに代表する2000年以上前の文化遺産、手付かずの大自然など観光素材は豊富」とし、今後はカンボジアとしてアンコール・ワット以外にも多くの魅力的な素材をアピールしたいという。特に、自然も豊富なことからエコツーリズムなど持続可能な産業として発展したいと強調した。また、カンボジア政府の役割としては、「観光産業が発展するよう計画を立案し、民間と協力して、手を携えていく」とし、各方面からの意見を集約する姿勢だ。

 現在、カンボジアへの日本人訪問者数は1月が11.3%増の1万2161人、2月が99.0%増の2万4802人、3月が23.1%増の1万2820人。ソティレアッ氏は今年の動向についても「3月までの出足が良く(前年比47.2%増の4万9783人)、展望は明るい」と見る。ただし、今後の具体的な課題としては、日本との直行便の開設、旅行者が楽しめるエンターテイメントの提供などで消費額の増加、サービスの質の向上、文化・自然を中心とした興味や関心の喚起、日本語を話せる観光ガイドなどの人材育成などを課題としてあげる。こうしたことから、「文化、観光での交流を一段と深めたい」として業界への協力を求めた。