中国・張代表、日中相互訪問者目標の500万人は堅持、安心・安全を強調

  • 2005年5月15日
 中国国家観光局、中国大使館領事部はこのほど、東京で「中国観光セミナー・ワークショップ」を実施し、11の省、市の観光局など25名が来日し、安全な受け入れ態勢などをアピールした。この席上、中国国家観光局主席代表の張西龍氏は年初に示した2005年の日中両国の訪問者数目標である「500万人は変更しない」と言明。張氏は「1月から3月までの訪中日本人者数は39%増で既に90万人を超えた。4月から6月までは多少キャンセルが出ているが、大きな影響を与えるとは思わない。楽観的に考えている」として、2004年の日本人訪中訪問者数の333万人を超えるため、中国の観光推進を改めて訴えた。現地での安全対策については、「全国の業界関係者に安全意識の対策強化を進めている」との現状を紹介。日本国内では年末までにリカバリー・キャンペーンとして、札幌、仙台、宇都宮、横浜、名古屋、京都、大阪などで観光セミナーを開催し、情報提供していく。
 また、セミナーに出席した日本旅行業協会(JATA)事務局長の石山醇氏は、観光ミッション団に対して、中国での反日運動が「概ね(良い方向の)修正に向かっている」としたものの、「未だ手厳しい見方があることを把握して頂きたい」と述べ、日本マーケットの現状を伝えた。石山氏は4月末の訪中時、中国国家観光局などとの話し合いを受け、「各都市へ日本人の訪中が問題ないことを確信した」とし、日中の観光産業の活性化をアピールした。
 また、セミナーに出席し駐日大使館公司の程永華氏は年々活発化する日中関係について、「国民の交流がベース。互いの立場、考え方と付き合い、相互理解に努めることで、相互の信頼関係が築かれ、日中友好関係が生まれる」と語り、日本人が訪中、中国人が訪日し交流することで「両国関係が強化する」と説明。中国は2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博などに向け積極的に取り組む姿勢を強調した。