NAA黒野氏、国交大臣に交渉経過を報告、北伸案に特段の支障なし

  • 2005年4月15日
 成田国際空港(NAA)代表取締役社長の黒野匡彦氏は15日、国土交通大臣の北側一雄氏に第二滑走路の用地交渉について報告した。これは大臣から3月末までの報告を求められており、4月初旬に若干の猶予を求め、この度の報告となったもの。黒野氏は大臣に対して、(1)本来計画(南側に滑走路を伸ばす当初の計画)について14日に地権者らと初めて全体会合を開催したこと、(2)大臣の指示による社内での北伸案の準備について、整備に向けた大きな支障は「特段ない」と報告した。NAAとしては本来計画を進めることが希望である旨を伝え、さらに若干の交渉の猶予を申し出たという。
 これに対し、大臣は用地問題の解決に向けた「目に見える成果が出ていない」とコメントを発表、目途はついていないとの考えから、報告の内容を吟味して「近く日時を定めて空港社長を呼び、その方針について指示」するようだ。国土交通省では2500メートル化は「喫緊の課題であり、まさに待ったなしの状況」としており、こうした姿勢をNAAとしても重く受け止めているようだ。

 NAAによると本来計画と北伸案は完成までの工費等、工期などで違いが若干ある。本来計画では工費が190億円、運用まで3年、北伸案では330億円、6年と整備費等の負担も重くなる。ただし、NAAは「大臣の指示があるまでは本来計画で交渉を進めていく」としており、国際航空運送協会(IATA)からも求められる着陸料の引き下げについても「(工費の増額見込みなどと)直接連動する問題ではない」としている。