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NAA、05年度の経営計画に着陸料引き下げの年度内実施を盛り込む

  • 2005年3月29日
 成田国際空港(NAA)は2005年度の経営計画をまとめた。これは昨年、民営化にあたり策定した中期経営計画を基に05年度の目標を策定したもの。今年の環境は旅客数が内際計で3138万人、発着回数は旅客、貨物を合わせ18.3万回と暦年、年度ともに過去最高を記録する「恵まれた年」(NAA常務取締役の上子道雄氏)との評価。営業収益も当初の1560億円の見込みから4%増となる1620億円の着地を想定するほか、経常損益は220億円から280億円と上方修正するほど収益の伸びやコスト削減で60億円を上積みしている。ただし、課題は地元と取り決める20万回の発着数に近づく18.4万回、ビジネス・ジェット等を含めると18.6万回、国内線の未使用枠1.2万回などを勘案するとほぼ限界。ロードファクターも2月については全体で78%、通年でも75%から76%と需要は高いものの先が見える状況。
 こうした現状を踏まえ、最重要施策として、(1)着陸料の引き下げ、(2)平行滑走路の2500メートル化・第1旅客ターミナル南等改修と航空会社再配置、(3)成田新高速鉄道整備の促進を挙げる。特に、着陸料は民営化の成果として半ば、公約として引き下げを謳っており、国際競争力の維持の観点からも重要。ただし、決定までには決算を踏まえ、国際運送協会(IATA)と協議し、「2005年度営業年に実施したい」(上子氏)項目だ。ただし、2005年度の着陸料引き下げを含まない単体の営業収益は1630億円を見込んでおり、このうち着陸料等では620億円と38%程度に影響がおよぶ。また、2007年度の上場を目標として掲げており、財務基盤の強化は急務であることから、一部の施設使用料の見直しなども含めて、着陸料の引き下げについても検討していく。
 なお、2004年度決算の見込み、および2005年度のNAA単体の損益計画は下記の通り。

▽計画(NAA単体)<営業収益/営業損益/経常損益/当期損益>
2004年度見込/1620億円/400億円/280億円/70億円
2005年度計画/1630億円/380億円/280億円/−