観光活性化フォーラム
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JTBF、自主研究レポートを発行、消費者と旅行会社の意識相違の研究も

  • 2005年2月23日
 財団法人日本交通公社(JTBF)はこのほど、旅行・観光に関する論文集「自主研究レポート2005」を取りまとめた。この中でインバウンドの研究では旅行者の移動距離に応じたインバウンド観光の評価を再考したところ、旅行者数では27位の日本が18位と評価を高めていることが分かった。これは旅行者数、旅行収支などを指標としたインバウンドの統計から、観光客数の移動距離を乗算すると試算される数値を利用する。これでインバウンド旅行者数がフランス、スペイン、アメリカ、イタリア、イギリスの順から、移動距離を加味する指標では、アメリカ、フランス、イタリア、スペイン、メキシコの順となる。こうしたことから、日本は遠くからも旅行者が訪れる潜在的な観光需要を秘めた魅力ある国という指摘もできる。
 また、別のレポートでは旅行のクオリティについての研究を掲載。このレポートは旅行会社と消費者の意識の相違を見比べたもので、双方とも最も関心が高い項目は「商品・サービスの価格」で、消費者73.4%、旅行会社75.8%であった。ただし、食い違いが見られる項目では「文化遺産のクオリティ」は消費者39.7%が重視するのに対し、旅行会社は9.1%、「交通機関のクオリティ」は消費者33.2%に対し、旅行会社21.2%となった。逆に旅行会社の意識が高いポイントは「消費者取引における明瞭な明示」で消費者21.2%に対し、旅行会社が40.9%、「カスタマーサービス」では消費者16.8%に対し、旅行会社37.9%、「限定性・希少性」が消費者12.5%に対し、旅行会社34.8%と両者の意識がかみ合っていないポイントも明らかになっている。
 なお、この「自主研究レポート2005」は全4編、12の研究、総116ページで構成されており、価格は3000円。希望者はJTBFへ問合せのこと。

▽問合せ
財団法人日本交通公社・TEL:03-5208-4704
※HPでも近日から申込みが可