近ツー、海旅回復、財務体質強化などで増益、今期も2事業に注力

  • 2005年2月22日
 近畿日本ツーリストの平成16年12月期決算は営業収益が前年比9.2%減の935億5800万円、営業利益は10.2%減の18億6200万円、経常利益は17.4%増の18億3100万円、当期純利益は15.1%増の11億6900万円であった。前期はSARSからの回復が最大の課題で、海外旅行については回復基調であったものの、国内旅行は台風、地震などの影響を受ける厳しい状況が一部で続いた。こうした中で、ECCを中心とする団体旅行とメイト・ホリデイによる個人旅行を2つの機軸とした事業展開へと再構成。海外旅行のホリデイでは夏の家族向け商品、デスティネーションではハワイが復活するなど回復を見せたほか、メイトは沖縄、関西、九州方面の商品で好調。また、団体旅行では教育旅行が学生数の減少などから低調であるものの、アテネオリンピックの積極的な参画などで奏功した。
 また、今期はクラブツーリズムの営業譲渡による譲渡益248億4000万円をはじめ、ホテル事業から撤退し、財務体質を強化。さらに近ツーが母体となる近畿日本ツーリスト厚生年金基金の代行部分返上として22億3200万円を特別損失として計上した。ただし、今後の費用として毎年、17億円の減少を予想している。
 近ツー単体の販売高は13.2%減の5175億7300万円、クラツー分を除くと5013億9800万円。このうち、国内旅行は3218億1600万円、海外旅行は1925億5900万円である。
 なお、今期は創立50周年を向かえ、ECC、メイト・ホリデイの2事業に一段と積極的な展開を進める。特にECCでは、愛知万博、日本・イタリア交流の翼2005、まつりインハワイなどを中心に販売を進めるほか、インバウンドに連携し、自治体へ観光誘致策の提案を積極化する。業績予想は中間期の営業収益377億円、経常損益は24億円の赤字、中間純損益は30億円の赤字、通期の影響収益880億円、経常利益18億円、当期純利益9億円としている。