TA、ブランドは属性「自然」が核、主力となる旅行者像の調査も開始

  • 2005年2月10日
 オーストラリア政府観光局(TA)日本局長の堀和典氏はこのほど、トラベルビジョンとのインタビューに応え、今後の戦略等の進め方などを語った。先ごろの就任パーティでの所信表明で(1)国のブランディング、(2)商品造成、(3)オンライン・マーケティング強化を明らかにしているが、これに加え2006年の日豪交流年を契機に持続的な成長を維持することを言及。特に、オフ期となる夏の対策を重視し、ゴールドコースト・マラソンの発展、ラグビー・サッカー・ゴルフなどスポーツ活動のトレーニング誘致、姉妹都市交流の活発化が軸となる考えを示した。こうした活動も含めて、年率約6%程度の着実な増加によって、2010年日本人訪問者100万人の実現へと導く。
 また、4月に発表を予定するブランドについては、オーストラリアの属性として「自然」を位置づけることを言及。こうした国のブランディングを踏まえ、次のステップとしてはコアとなる旅行者である「オーストラリアへの理想的な旅行者」を打ち出す方向性も示す。この狙いは、複数回の訪問、経済への貢献などのメリットもあるが、日本の旅行市場者が成熟化する現況を踏まえながら、今後のプロモーションを進める上では、旅行目的など明確な指標を打ち出す際にも効果的と考えられる。既に、本局では国別に理想の旅行者像の調査を始めており、今後の中長期的な方向性に大きく関わってきそうだ。
 具体的にこうした方向性を支えるのがオンライン戦略。コミュニケーションの新たな手段として、TAは消費者同士の情報交換の場所を提供する一環としてブログという形態を採用しており、こうした活動は最終的にはCRMに行き着くとの考えを示す。顧客の趣向性の把握も進めるが、TAサイト内に口コミをはじめ、価値の高いコンテンツが充実していく方向にあれば、コンテンツのOEM供給など様々なサイトと提携する可能性も示唆した。

※なお、インタビューの詳細は順次、ホームページで紹介する予定です。