JTB、海外個人旅行の販売戦略を刷新、コンセプトは「自由」

  • 2005年1月31日
 ジェイティービーは2005年度から、海外個人総合旅行の販売戦略を刷新し、変化する個人旅行市場に対する対応力を現場レベルで高める。これは店舗内の改革から、店頭の担当者の社員教育による販売手法、予約販売システムなど、販売における流れを根本的に見直す。05年度中には全国で59店舗に先行導入し、06年度には全国の店舗で実施する。ルックJTBとFITの販売計画は2004年度見込み166万人(取扱額:2500億円)から、05年度は191万人(3100億円)、06年度は220万人(3500億円)にまで伸ばしたい考えだ。

 販売コンセプト、キーワードは「自由」とし、(1)素材組み合わせからパッケージまで価格・商品内容の比較提案の自由、(2)予約状況を瞬時に検索し、申込み当日の出発も可能とする自由、(3)豊富な品ぞろえの自由、(4)旅行者本人が作り出す旅の自由を目指す。具体的には店頭に訪れた消費者のニーズに合わせ、航空券の販売やホテルの予約等の単品素材とパッケージ商品の比較を基に予約を店頭で受付ける。また、消費者に対する提案力も向上を狙い、商品の品揃えを拡充し、利用しやすくする。東京都内では実験的に店舗改革を進めてきたが、この中で政府観光局の情報等を情報コーナーとして設置した店舗もあるが、特定の店舗において導入を進める。また、消費者の多様な要望が予想されることから、自社予約システムの取扱いを拡充する。ホテルは現在の2400ヶ所から2万1000ヶ所へと大幅増、現地発着パッケージツアーも250商品から400商品へと拡充する。
 こうした対応は海外旅行について、パッケージとFITを厳格に切り分けて考えすぎた反省もあるようだ。消費者にとっては「海外旅行に出かける」ことが重要で、次に値段と相談する。FIT向けのパッケージツアーの種類も増加している最近だが、業界には「素材の単品販売は儲からない」や、「店頭で煩雑さに追われるだけ」との考え方も根強くあった。ただし、消費者は好みや目的次第でパッケージツアーと素材の組み合わせを自由に選択しており、そうした自由な考え方を受け入れる素地が店舗に薄くならざるをえない体制から、インターネットのような新たな販路に流れる部分もあったことは否定できない。今後は、店舗としての独自性を打ち出しながら、顧客の信頼を勝ち得る販売店を展開することが業界の流れとなるだろう。

▽2005年度新海外旅行販売システム導入支店
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