観光活性化フォーラム
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来年の海外旅行者数は1760万人の見通し、JTBF旅行動向シンポ

  • 2004年12月22日
 財団法人日本交通公社(JTBF)は12月22日、第14回旅行動向シンポジウムを開催、この中で、来年の海外旅行者数は2004年を1660万人と仮定し、6.0%増の1760万人の見通しを示した。JTBF研究調査部市場分析グループ主任研究員の林俊介氏は今年の回復基調について「デスティネーション別の回復はばらつきがある。中国、韓国は顕著な回復、ハワイ、グアムなどビーチリゾートも堅調。香港や台湾は(SARS等の)尾を引きずる」と指摘。2005年の予測はマイナス要素は国際線運賃の値上げ、経済成長率の鈍化、大きな誘客力を持つイベント不在などを指摘。一方でプラス要素は中部国際空港の開港、中国、台湾、韓国、ハワイ方面において地方発の国際線の増加、増便、復便など供給量の増加、円高基調の継続を挙げる。特に、韓流ブームについては継続する傾向で、先ごろの日韓首脳会談でも話題となった羽田/金浦間のチャーター便の増便なども契機とした旅客増加傾向が続く見通しを示す。こうした事柄を背景に、業界識者の予測である1740万人を上回る見通しを示した。
 なお、国内旅行の旅行者数は2.0%増、旅行単価は1.5%減と予測。旅行者数の増加は今年の猛暑、台風、地震等の異常事態の解消を前提としているものの、今夏のシニア層の国内旅行の動きが鈍かった事を受けたもの。訪日旅行は香港のビザ免除や中国人団体観光旅行のビザ発給対象地域の拡大で追い風が吹いた傾向が継続すると見込み、今年の予想である610万人を11.4%増となる680万人としている。