日本旅行業協会（JATA）はこのほど、5月18日から31日にかけて旅行会社286社からの回答を得た「2004年6月期旅行市場動向調査」をまとめた。この調査によると、現在の海外旅行のDI値はプラス9ポイントとなり、前回調査（2月25日〜3月9日）の3ヵ月後予想であるマイナス20ポイントから大きく上回る回復傾向となっている。特にゴールデンウィークの実績が2002年レベルに近いことが景況感回復を支える大きな要因となっているようだ。業種別で3ヶ月前の調査から大きく改善するのはリテーラー1（旅行業の取扱額30億円以上）で現在がプラス27と前回調査から103ポイントの改善と全てのセクターで大きく上昇を見ている。海外旅行全般では3ヵ月後にプラス14ポイントの予想となり、調査を始めて以来、最も高い数値を示す。
　また、顧客層別では全てマイナス数値となっているもののシルバーがマイナス2ポイントと市場を牽引、次いで商用・視察がマイナス3ポイント、熟年がマイナス9ポイントとなっている。3ヵ月後にはシルバーがプラス10ポイントの予測となり市場を引き続き牽引するほか、時期的に夏の商戦となることからファミリーがプラス3ポイントと更なる上昇が期待される。
　デスティネーション別ではヨーロッパがプラス3ポイント、ハワイが0ポイントと各種の公表値と体感が同じであることを示している。また、中国が3ヶ月前のマイナス49ポイントからマイナス4ポイント、アジアがマイナス55ポイントからマイナス12ポイントとそれぞれ大きな回復を見せている。これはSARSや鳥インフルエンザの影響が薄れていることを示しているようだ。

※DI値は設問事項に対し、「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4回答を用意、この回答からシェアを算出するもの。「全て良い」場合にはプラス100となる。

▽JATA調査の海外旅行の業態別DI値
[1年前／9ヵ月前／6ヵ月前／3ヵ月前／現在（4〜6月）／3ヵ月後（7〜9月）]
総合旅行会社　-97／-83／-80／-50／+17／+25
海外旅行ホールセラー -97／-88／-29／-66／-37／0
海外旅行系旅行会社 -100／-80／-23／-62／+25／+42
リテーラー1 -100／-88／-45／-76／+27／+27
リテーラー2 -87／-68／-37／-37／+5／+9
インハウス -93／-41／-4／-23／+27／+10
海外旅行全般　-93／-70／-33／-46／+9／+14

▽JATA調査のデスティネーション別のDI値
[1年前／9ヵ月前／6ヵ月前／3ヵ月前／現在（4〜6月）／3ヵ月後（7〜9月）]
ハワイ 　　-90／-63／-28／-27／0／+8
米・カナダ　　-87／-67／-51／-54／-16／-10
ヨーロッパ　　-78／-47／-16／-22／+3／+7
オセアニア　　-76／-50／-24／-28／-19／-17
ミクロネシア　-83／-59／-38／-19／-2／+1
中国　　　　　-100／-76／-38／-49／-4／+6
アジア　　　　-98／-76／-36／-55／-12／0