観光活性化フォーラム
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TIJ、新会長に舩山氏が正式就任、新事業で一橋大と産学連携へ

  • 2004年6月15日
 日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)の会長に舩山龍ニ氏(日本旅行業協会副会長、ジェイティービー代表取締役会長)が就任した。TIJの第9回理事会、第4回通常総会において選出したもの。舩山氏は「前会長の堤氏の後をつぐことは、その功績から考えると重責」としたが、今後については「従来の『ものづくりニッポン』に加え、『ビジット・ジャパン』という新たな国の施策が付加されている時代に果たす責務は多い」と語る。これは「世界に理解される日本」を目指して観光産業の果たす役割が大きいことを示唆したもの。このことから、TIJではこれまで「休暇改革事業」、「訪日ツーリズム事業」、「広報・啓蒙事業」の3本柱で展開する事業に加え、新たに「産学連携事業・組織拡大」を掲げた。産学連携事業は一橋大学大学院商学科との共同研究、および寄附講義を実施するもの。舩山氏はこれについて「ツーリズム産業の経済的な波及効果について学問の裏づけが必要」と述べ、産業界が一体となって各社のトップクラスを講師として実践的な講義、成果に結び付ける考えを示した。
 また、ツーリズム産業に占める旅行業として、「現在は約10万人が働いている雇用を確保し、一定の利益をあげることで税金を納付する社会的責務を果たすこと」と述べる。これは主催旅行の実施で消費者に対する一定の責任を旅行会社が果たすようになってきたことを評価するもの。ただし、「21世紀はインターネットでのコミュニケーションが容易に図れる時代だからこそ、直の交流を図る需要も増える」と旅行需要の増加を示唆。「代売の発想から脱却する試練でもあり、絶好の機会」と言及し、インバウンド、アウトバウンドともに旅行商品の質の向上を訴えた。
 なお、理事会、総会において新任理事、監事を承認した。詳細は下記の通り。

▽昇任、新任役員(氏名/役職/所属)
舩山龍ニ氏/会長/日本旅行業協会副会長
中村稔氏/常任理事/国際観光振興機構理事長
太田孝氏/理事/近畿日本ツーリスト代表取締役社長
成田豊氏/理事/日本広告業協会理事長
山田隆英氏/理事/日本添乗サービス協会会長
村尾成文氏/監事/国際観光施設協会会長