3月の苦情・相談件数201件、SARS等の反動で前年比減も実質は増加?

  • 2004年6月2日
 日本旅行業協会(JATA)によると2004年3月の苦情・相談件数は前年比28.7%減の201件、81件の減少であった。減少の主な要因は昨年の同時期はイラク戦争、SARS関連の相談件数79件であったことから、この減少分を考えると同程度で推移しているものと考えられる。申出の内訳では旅客対応が57件(前年:51件)、取消料が24件(同:106件)、インターネット取引が19件(同:8件)となっている。
 このところ増加傾向にあるインターネット取引であるが、格安航空券の検索サイトで極端に低価格で申し込みをしたところ、旅行会社から「一桁間違っていた」との連絡があったとの相談があった。これに関しては予約が完了した時点で旅行会社から契約を取り消すことは出来ず、契約を締結した金額で商品の提供を行わなければならない。JATAでは旅行会社がインターネットで気軽に金額を掲示できるものの責任が重いこと、また、消費者の思い違いが多いことについても今後の対策を行う事項として問題意識があるようだ。

 なお、平成15年度(2003年度)の年間での苦情相談件数は前年比8.7%減の2428件となり、件数では232件の減少であった。減少は旅行者数の絶対数の減少に伴うもの。これは「地上手配に関わる条件変更」が昨年の216件から今年は139件へと激減したことに現れている。また、「倒産と弁済業務」についても昨年の198件から今年は68件と減少したが、昨年はバーゲントラベルの相談154件を含むことから、実質では若干の増加となっている。