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LACVB、セレブ起用のプロモ継続、「ロス」でなく「LA」定着めざす

  • 2004年2月21日
 ロサンゼルス観光局(LACVB)・ロサンゼルス国際空港(LAWA)アジア・パシフィック代表に2月1日付けで就任した安達正浩氏がこのほど、今後のプロモーション方針などを明らかにした。ロサンゼルスへの日本人訪問者は11月時点の推計で約34万人。2000年から67万3000人、2001年は57万5000人、2002年は39万9000人と減少が続くだけに、日本からの訪問者の増加は早急な課題だ。日本/ロサンゼルス間は日本航空(JL)、全日空(NH)、ノースウエスト航空(NW)、ユナイテッド航空(UA)などが運航しており、4月5日からアメリカン航空(AA)が成田/ロサンゼルス線の就航を予定する。ただし、9.11以前の週91便には及ばないが、本国でロサンゼルス国際空港が誘致活動を継続していくという。

▽プロモーション活動について
 ロサンゼルス市は2002年11月から観光促進キャンペーン「See My LA」を展開、現在はカリフォルニア州知事となるアーノルド・シュワルツネッガー氏やロサンゼルス・ドジャースの石井一久選手を起用し、ツアーパンフレットやホームページでのプロモーションで全面に打ち出してきた。安達氏によると「効果は大きいが、厳しい時期にあった。今年もセレブの起用は継続する」という。今年は日本で「ウルフガング・パック」を冠するチェーン店を展開するシェフのウォルフガング・パック氏を起用し、旅行会社のパンフレット掲載にも協力する意向だ。ツアーの具体的な案としては、パック氏がオーナーの「スパーゴ」での食事を組み込む旅程を提案していく。
 LAにとって、平均滞在日数の増加も課題だ。2003年の日本からのパッケージ旅行の平均滞在数は2.42泊で、アメリカ国内の商品6.85泊と大きな開きがある。日本発の商品はユニバーサル・スタジオ、ディズニーランドを組み込むものの、その後はLA以外の滞在となる旅程が多いことから、ロサンゼルスを起点としたフライ&ドライブの旅程の多様化、定着を狙うようだ。

▽「ロス」でなく「L.A.」の定着へ向けて
 そもそも、「See My LA」プロモーションの展開はシュワルゼネッガー氏をはじめ、LAには多くのセレブレティが在住することからイメージ向上を図るもの。安達氏は「若年の世代に『LA』という言葉が浸透してきている」と語るが、一方では治安の問い合わせる旅行会社があることも事実だ。2002年の統計で人口100万人以上のアメリカ10都市の犯罪発生率では、10万人に対し5224.3人。ロサンゼルス市はこれを4.6%ほど下回る4986人となっており、LA市長の市長ジェームス・ハーン氏がニューヨーク警察で治安向上に実績を残す人材を引き抜き、取り組みを強化しており、治安の向上は進んでいる。