米、10月から運用予定の生体識別情報記載パスポートで適用延期を模索?

  • 2004年2月12日
 アメリカ政府当局者がこのほど、国土安全保障省が中心に「記載情報が機械で判読できる旅券(MRP)」を適用するプログラムの一環として、指紋採取を実施する「US-VISIT」の状況や10月以降に実施予定の生体認証技術を利用するバイオメトリック・パスポートの見通しなどを語った。

 1月5日から開始した指紋採取機(スキャニング機)の運用については、1月末まで60万人がアメリカ到着時の空港で手続きを行っており、国土安全保障省のエイサ・ハッチンソン次官がアメリカ議会で「目立ったトラブルは無く、空港での手続きが遅れているとの報告は無い」との答弁を紹介。ただし、今後のビザ申請に関しては、「7月末から東京のアメリカ大使館、大阪の総領事館、8月から那覇の総領事館で指紋採取機の導入を予定する」という。これにより、ビザ申請者本人が手続きを行うこととなり、就労ビザなど一部限定的に行う代理申請も実質的に廃止の方向となる。
 また、アメリカがビザ免除プログラム(VWP)参加26ヶ国からの旅行者に対し、10月26日からバイオメトリック・パスポートの適用について、「当該日以前に発行するパスポートの有効期限内は現在の運用を適用、当該日以降に発行したパスポートを所持する場合は生体識別情報を義務付けるもの」と説明。ただし、「期限までに生体識別情報を記載するパスポートの発給が可能な国はオーストラリアのみ。アメリカ連邦政府は日本をはじめ、期限に間に合わない国に対して適用延期を行う法律を整備したい考え」にあるという。アメリカ政府当局者は外務省との会談も紹介し、「日本政府は2005年度からバイオメトリック・パスポートの運用が可能」という。延期に向けた動きがあるものの、「法整備等が行えない場合、ビザを取得しなければならない」とも述べた。

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