タイ、首相のシナワット氏が健康サービスセンター拠点構想を表明

  • 2003年12月12日
 アセアン首脳会議のため来日したタイ国首相のタクシン・シナワット氏は12日、タイ・セミナー&ワークショップにおいて健康サービスセンター拠点構想を明らかにした。これはシナワット氏の「タイと日本の観光交流をさらに発展させるとともに、タイをアジアの健康サービスの一大拠点にする」考えに基づくもの。健康サービスセンターは高度な医療サービスを提供することで、ロングステイの需要や旅行市場の主流となりつつあるシニア層を取り込む事が目的。タクシン首相は「タイでは、日本語を話す多くの医師が揃い、高度な医療技術を有する病院もある。また、西洋式だけでなく、タイ古式スパ、マッサージなど日本で紹介されているものに加え、現在研究の進むハーブを素材とした健康食品も今後の売りとなる」と語った。
 タイ国内の病院などで健康医療のサービスを受ける外国人は、2002年は前年比15%増の60万人であり、その経済効果は150億バーツに昇る。このうち日本人は20.9%増の13万1578人と最も利用者が多く、高い成長率を見せている。日本人の高齢化が進み健康への不安と国内の医療機関に対する不満が高いだけに、タイで健康をテーマにした旅行企画の開発にも期待がかかっている。