求人情報

羽田/金浦間チャーター便就航、初日搭乗率はJLが80%、NHが90%

  • 2003年11月28日
 日本航空(JL)、全日空(NH)、大韓航空(KE)、アシアナ航空(OZ)の4社は11月30日から、羽田/金浦間を1日1便運航するのチャーター便の運航を開始した。日本発の初便就航前に4社共同で開催した記念行事において、国土交通大臣の石原伸晃氏は、「現在、日本/韓国間は週400便程度が就航する。この羽田/金浦間の就航で週28便の増加となり、年間での旅客数は約25%の増加が見込まれる。日本から韓国を訪れるだけでなく、観光立国担当する行政の立場からもビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)を促進し、韓国からのお客様を迎え入れることを歓迎する」と語った。また、羽田空港の国際化についても言及、「2009年の国際空港化に向け、関係機関と協議を進めたい」と抱負も述べた。
 また、駐日本国大韓民国全権大使の趙世衡氏は「年間約350万人が日本/韓国間を往来する。今回のチャーター便は両国の都心に直結し、約1時間程度での往来が可能となり、1日で往復ができる『1日生活圏』の便が誕生した」と語り、今後の日本と韓国間の交流が促進する掛け橋となるよう期待を表明した。

▽今後の羽田/金浦間のチャーター便の需要は?
 今回のチャーター便では成田/仁川線の定期便との兼ね合いから、羽田便は各社一律に割高で設定。JLの「悟空」、NHの「GET」運賃では成田/仁川線より4000円高となっているが、成田、仁川空港ではそれぞれ2040円と1600〜1700円前後の空港税が加味されていることは、各社とも利便性を考慮した料金設定であることを明らかにしている。これは旅行各社の旅行商品の値段設定にも反映されている。
 また、ここに来て一部では、羽田空港が地方便との接続の利便性を活かして羽田/金浦間を利用する動きもある。例えば、JLの函館/関空線が11月1日から運休、12月1日から函館/伊丹便となった措置を受け、函館/羽田線から羽田/金浦間のチャーター便を利用する動きもあるようだ。しかし、このような動きはまだ、ごく限られた利用だ。ある旅行会社の幹部は「羽田/金浦間のチャーター便に対する認知度は東京近郊でも低いのでは」と語る。初日こそ、JLは232席に187名で搭乗率80.6%、NHは216席に198名で91.6%と滑り出した。ただし今後は、JAL・JAS統合のメリットを生かすJALグループとNHグループでの国内地方路線の施策と絡まり、座席の半分以下は個人客への販売を認めることからビジネス客の需要をどのように取り込むかが注目される。
 なお、1月から9月までの韓国への日本人訪問者数は25.2%減の125万8212人。この3ヶ月の推移は7月が42.1%減の12万2747人、8月が25.8%減の16万8630人、9月が24.6%減の17万3186人である。韓国から日本への訪問者数は12.9%増の57万6379人となっている。

写真:チャーター初便に乗り込む国土交通大臣の石原伸晃氏