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近ツー、新アクションプランを策定、ECCを中核事業に脱・総合旅行業

  • 2003年11月25日
 近畿日本ツーリストは2004年度を初年度とする2ヵ年の新アクションプランを策定した。これはSARSをはじめとする外的要因の変化、および旅行業界内の競争激化を織り込み、費用構造だけでなく、重点的に営業を展開する分野や競争力の強化を目的とする施策を盛り込んだもの。これに加え、クラブツーリズムの営業譲渡を受け、「脱・総合旅行業〜プロデュース業への転換」をこれまで以上に鮮明化することで、将来起こりうる環境の変化にも対応することを目的とする。

▽近ツー、今後の中核事業はECCに
 近ツーでは、今後の中核事業としてイベント・コンベンション・コングレス(ECC)を掲げる。これは、日本国内でのイベント市場の規模が2000年から徐々に増大しており、今後のインフラ整備により旅行会社の取扱うことが出来る余地が大きいと分析することから。この実現に向け、東京、名古屋、大阪の地域横断組織としてECCカンパニーを創設し、首都圏で培ってきたECC、およびソリューション営業のノウハウを各地域の支店に拡大する。なお、2004年のECCの販売見込として、国レベルのイベントを2件、組織団体17件、スポーツイベント17件など既に95件の2000万円以上の受注済み案件があるほか、2005年は愛知万国博覧会で75億円、周辺のイベントで30億円の販売を見込む。
 また、ソリューション営業の一部であるビジネス・トラベル・マネジメント(BTM)契約の契約対象を都道府県自治体、大学にも拡大し、2003年度現在の契約企業数110社の増加を狙う。個人旅行部門では収益構造の改善を図るほか、顧客ニーズに適合する商品企画と販売を徹底する。さらに、2005年末までに約50店舗を新設や統廃合、移転を進めることで、効率的な展開を図る。

▽2004年12月期には復配が実現?
 正社員数も2003年11月現在の3620名から、2005年度までに3345名にまで適正化を図る。これに伴い、契約社員の比率を高め、特に店頭部門では2004年4月に「20:80」とする。この契約社員の教育には、近ツー独自の教育機関「THE CHIE HOUSE」を活用し、サービスレベルの向上につなげる方針。
 これにより、財務体質の強化を進める。SARSやテロなどの外部の環境変化による赤字に陥る収益構造の克服を行うほか、2004年に実施予定の厚生年金基金の代行返上やコンピューター関連費用の見直しなどの費用削減を進める。また、クラツーの営業譲渡資金により連結決算で実質無借金経営を行うと共に累積損失の一掃で2004年12月期の復配の実現を狙う。