VJC、シンポジウム開催、経済の起爆剤となるインバウンド市場を探る

  • 2003年9月12日
 ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)実施本部はこのほど、「アジア観光活性化シンポジウム」を開催した。これはSARSの影響で激減した訪日旅行者の市場を完全に回復させ、経済の起爆剤としてのインバウンド市場を、アジア地域全体で発展させる方法を探るもの。前ニュージーランド首相のジェニー・シプリー氏は、「欧米の旅行者はまだアジアの魅力を発見していない」とした上で、急成長する都市の姿や、土地ごとの歴史や文化が観光資源として活用すること、継続的にリピーターを呼び込むことのできる市場開発の重要性を訴えた。ニュージーランドは人口400万人に対し、昨年の実績で200万人の観光客を迎え入れており、シプリー氏の掲げた「100%ピュアニュージーランド」は現在も引き継がれ、美しい自然やマオリの文化をアピールしている。自身の功績については「首相はあくまでも旗振り役に過ぎず、インバウンド市場の振興には民間の投資や個人の行動力が重要」と語った。
 また、ボアオホールディング会長の蒋暁松氏は、これまでのリゾート開発の経験を語るとともに、日本の旅行業関係者にボアオへの旅行者誘致を求めた。ボアオは中国海南島の東海岸に位置し、1992年までは水と緑の熱帯林であった。インフラ整備を開始したのは1996年からで、蒋氏は「2011年までに30軒のホテルを開業し、バリやプーケットなどのリゾートに追いつきたい」という。さらに、昨年4月に開催されたボアオ・フォーラムは、アジアを中心とした首相や元首クラスをはじめ、経済界や金融界から3000人の参加者を集めたアジアの経済会議について言及し、積極的な誘致活動の重要性を強調した。