BC、羽田/青森線で運休、第三者割当の株式発行で債務超過を解消

  • 2003年9月9日
 スカイマークエアラインズ(BC)の平成15年10月期の第3四半期決算は、事業収益が前年比43.7%増の145億4800万円、営業損失は17億400万円、経常損失は17億300万円、第3四半期の損失は19億1000万円であった。事業別収益は旅客収入が40.0%増の138億4500万円、貨物が368.9%増の4億5000万円、附帯収入が80.6%増の2億5200万円である。今期の見込みは中間決算発表時の売上高224億5000万円、経常利益4億3000万円の赤字、当期純利益6億4000万円の赤字を見込む。路線別の搭乗率は下記の通り。
 なお、BCは9日に開催した取締役会において、羽田/徳島線を増便し、羽田/青森線の運休、および第三者割当の新株式発行を決議した。羽田/青森線は今年4月に全日空(NH)が撤退を表明した路線を受け継ぐ形で運航を開始したが、多客期の夏期の繁忙期においても搭乗率が伸び悩み、経営基盤の確立を目指すことから撤退を決断。これに伴い、羽田/徳島線を現在の2往復4便から4往復8便体制に増強する。
 また、普通株式10万株(1株4万5000円、総額45億5000万円)を発行し、平成15年10月期に債務超過を解消する。割当先はインターネットサービスの運営を手がけるゼロ株式会社代表取締役会長の西久保愼一氏が6万6666株、エイチ・アイ・エスが2万2222株、HSI2号投資事業組合が1万1112株となっている。BC取締役会長の澤田秀雄氏は、「今回の増資はスカイマークの事業が公共性の高い事業であることから、多くの意見を取り入れるため」と説明。ただし、株券上場廃止基準により平成15年10月期、および平成16年10月期に債務超過の場合、上場が廃止となることから、これを見据えた今回の増資でもある。増資後に筆頭株主となる西久保氏は「これから収益をもたらすことを期待すると共に、新規参入の航空会社では体制が最もしっかりしている」と語り、今回の増資後の期待感を表明。BC代表取締役社長の井上雅之氏も「収益をあげる体制が整ってきた」とし、黒字化に向けて全力を挙げる姿勢を見せた。

▽BCの搭乗率(路線/4月/5月/6月/7月[第3四半期平均])
東京/福岡線 61%/64%/60%/71%[70%]
東京/鹿児島線 54%/66%/65%/78%[64%]
東京/青森線 34%/36%/35%/40%[37%]
東京/徳島線 31%/43%/50%/53%[47%]