QF、2002/2003年業績は総売上で増加も、税引き後純利益で減少

  • 2003年8月21日
 カンタス航空(QF)の2002/2003年(2002年7月1日〜2003年6月30日)の業績は、総売上が昨年比3.7%増の114億オーストラリアドル(約8758億6200万円)と増加したが、税引き後純利益は19.8%減の3億4350万オーストラリアドルとなった。2002年7月から12月の上半期は過去最高の業績を記録するも、下期にイラク戦争とSARSの影響を受け、全ての事業部門で大幅に利益率が低下した。この事態に対処するため、4月以降は国際線の運航便数を最大で20%を削減したほか、未消化休暇の利用、および退職と採用の抑制で2000人のスタッフを削減するリストラの断行、旧型機の退役と新機材の納入延期などの策を講じた。7月以降は国内市場で新航空運賃を利用するパッケージの導入や、オーストラリアへの海外からの旅行者数が回復したことで利益は改善の傾向にある。
 今後は、2年間で10億オーストラリアドルの運航コストを削減する「Sustainable Future(持続可能な将来)」プログラムを強力に推進するほか、高効率の機材導入、国際線全機材への新しい座席とインテリアを導入する。また、QFで利益確保の難しいレジャーマーケットにおいて、オーストラリア航空(AO)で積極的な進出を図る方針だ。