JTB、主催9社を統合、8月にJTBワールドバケーションズを設立

  • 2003年7月29日
 ジェイティービーは海外旅行商品「ルックJTB」の企画、および主催するグループ会社9社を統合する新会社「JTBワールドバケーションズ」を8月に設立し、2004年4月1日から営業を開始する。統合する会社はJTBワールド、JTBワールド中部、JTBワールド西日本、JTBワールド九州のほか、デスティネーションに特化するJTBハワイ、パシフィックミクロネシアツアーズ、JTB中国旅行、エスティーシーのルックJTB主催部門とJTBディスカバーワールドである。なお、JTBハワイ、パシフィックミクロネシアツアーズなどの現地法人は現行どおり、維持する。新会社の資本金は10億円でJTBが全額出資し、代表取締役社長に現在JTBワールド代表取締役社長の伊藤正人氏が就任する。
 このほど会見を行った伊藤氏は新会社の設立の背景として、「現在の海外市場はパッケージ商品で売上げを確保しても、勝ち組とは言えない。FITへの対応を含め、海外旅行の市場全体から勝ち組となる必要がある」と、意気込みを示した。このため、新会社は(1)日本の国際線の66%を占める成田を基軸とし、関西、名古屋、福岡の4空港への集中に対応すること、(2)消費者の多様なニーズに対応するために多くのパッケージ商品を造成し、仕入で多品種の商品に共通性を見出すことでスケール・メリットを活かし、集客を高めること、(3)専門性を追求することを強力に推進する。これらの施策により、2006年度のルックの売上高は2450億円、販売人員は140万人を目指す。ただし、2000年度のルック取扱額が約2465億円、販売人員が141万人であったことから、伊藤氏は「市場環境の見通しは依然として不透明であるが、2000年度の取扱に回復することが先決」とした。
 また、ルックJTBを担当する人員約640名が新会社で600名となる事に関して、「リストラではなく、あくまで主催旅行の企画・催行の機能を統合すること」と強調。管理部門の統合による人員の削減はあるものの、「待遇面などは現行を維持する」とし、「仕入れの集中と効率化を目指す」と語った。