海外旅行市場動向調査、2003年の出国者数の予測は1350万人
財団法人日本交通公社は7月28日、第8回海外旅行動向シンポジウムを開催した。この中で、SARSの影響で落ち込んだ市場の回復を予測した同財団観光マーケティング部主任研究員の黒須宏志氏は「1991年の湾岸戦争と2001年の同時多発テロの場合、本格的な回復は危機の発生から7ヶ月から8ヶ月であったことを考えると、秋口に回復傾向が加速し、年末年始に本格化する」と語った。これは、以前の事例で多客期をきっかけとして、成長率に変動をもたらしながらも徐々に回復する傾向を受けた見通し。また、テロやSARSと不安要素が続いたことで、「これまで以上にリピーターが回復を支える重要な市場の牽引役となる」とした。これらの分析を踏まえ2003年の海外旅行者数は、「1994年水準の1300万人から1350万人に留まる」という。
また、昨年の海外旅行市場の動向を分析したツーリズム・マーケティング研究所主任研究員の磯貝正弘氏は「昨年の日本人出国者数は2001年比で若干増加したが、実質旅行者数は減少傾向にある」と指摘。「リピーターが多く占めたことが、前年比で増した要因である」と語り、特に観光を目的とする旅行者数が減少しているこという。このリピーター層が海外旅行の動向を左右する市場の環境において、消費者に最も求められていることは「旅行商品の値下げ競争ではなく、旅行に行くきっかけを重視した商品の企画が重要である」とした。具体的には、「各社とも好調に販売を展開するメジャーリーグ観戦ツアーや、エイチ・アイ・エスと近畿日本ツーリストが共同で販売するアイスランドへのチャーター便を利用する商品が大きなヒント」という。今後は、海外旅行市場の多くを占めてくるリピーター層に対し、目的のはっきりとした商品やターゲットとするリピーター層が訪れたことの無い新たなデスティネーションを開拓することが購買意欲を高める一つの指針となるのだろう。
また、昨年の海外旅行市場の動向を分析したツーリズム・マーケティング研究所主任研究員の磯貝正弘氏は「昨年の日本人出国者数は2001年比で若干増加したが、実質旅行者数は減少傾向にある」と指摘。「リピーターが多く占めたことが、前年比で増した要因である」と語り、特に観光を目的とする旅行者数が減少しているこという。このリピーター層が海外旅行の動向を左右する市場の環境において、消費者に最も求められていることは「旅行商品の値下げ競争ではなく、旅行に行くきっかけを重視した商品の企画が重要である」とした。具体的には、「各社とも好調に販売を展開するメジャーリーグ観戦ツアーや、エイチ・アイ・エスと近畿日本ツーリストが共同で販売するアイスランドへのチャーター便を利用する商品が大きなヒント」という。今後は、海外旅行市場の多くを占めてくるリピーター層に対し、目的のはっきりとした商品やターゲットとするリピーター層が訪れたことの無い新たなデスティネーションを開拓することが購買意欲を高める一つの指針となるのだろう。