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旅行市場動向調査、6月のDI値が過去最悪もSARS禍は底を打つ

  • 2003年7月23日
 日本旅行業協会(JATA)が6月2日から6月13日の期間、会員企業559社を対象に実施した旅行市場動向調査によると、6月現在の海外旅行全般のDI値は3月調査時のマイナス69ポイントを下回るマイナス93ポイントとなった(回答社数339社)。これは、JATAが実施する同様の調査で最も悪い数値である。ただし、3ヵ月後の予測はマイナス79ポイントとなっていることから、各社がSARSに終息の目途をつけていることがわかる。
 顧客層別では、夏の需要が見込まれるファミリー層の動きが鈍い。現在はマイナス96ポイント、3ヵ月後の予測でもマイナス82ポイントとなっており、3ヵ月後のハネムーン(マイナス71ポイント)、OL(マイナス76ポイント)、熟年(マイナス75ポイント)、シルバー(マイナス74ポイント)などを下回る予測となっている。方面別でも現時点の中国がマイナス100ポイント、アジアがマイナス98ポイントと厳しい市場環境を反映した結果となっている。しかし、3ヵ月後はすべての方面において上向きとなり、今回の調査時が底であったことを示す結果となった。
 国内旅行は海外旅行の需要が国内にシフトせず、前回調査時のマイナス22ポイントからマイナス26ポイントの微減であった。ただし、方面別は比較的好調な需要を確保しているのが北海道、東京、沖縄である。北海道は現時点のプラス3ポイントから3ヵ月後がプラス24ポイント、東京が現時点のマイナス3ポイントから3ヵ月後がプラス5ポイント、奄美・沖縄が現時点のマイナス10ポイントからプラス2ポイントとなっている。
 海外旅行の顧客層別、方面別のDI値は下記の通り。

▽海外旅行の顧客層別DI値(現在/3ヵ月後)
ハネムーン/-84/-71
ファミリー/-96/-82
OL/-92/-76
熟年/-88/-75
シルバー/-84/-74
インセンティブ/-94/-87
商用・視察/-90/-61

▽海外旅行の方面別DI値(現在/3ヵ月後)
ハワイ/-90/-70
アメリカ・カナダ/-87/-76
ヨーロッパ/-78/-59
オセアニア/-76/-58
ミクロネシア/-83/-64
中国/-100/-95
アジア/-98/-90