JATAマネジメントセミナー、エコツアーの概念利用しツアー造成に期待

  • 2003年7月2日
 日本旅行業協会(JATA)は「エコツアーの現状と旅行業界のかかわり方について」と題し、マネジメントセミナーを開催した。日本エコツーリズム協会理事の高梨洋一郎氏、広瀬敏通氏が講演を行い、「今後は市場から要望の目的志向の高いツアーの造成にあたり、エコツーリズムの概念を活用すること」を提案した。「エコツアーとしての市場規模は日本の旅行全体の10%までには高まる」(広瀬氏)と予測されるが、旅行市場の現状はエコツアーが各社からいくつかの商品が造成された程度である。しかし、社会全体での方向としてはエコに対する関心の高まり、あるいは「『自然学校』はトヨタをはじめとする大企業も事業化を計画しているほど、注目を浴びている切り口」(広瀬氏)である。既に自然学校を目的とした、教育旅行や社員旅行が数多く実施されており、一部の学校では総合学習の時間を利用したり、修学旅行に組み込む例が紹介された。
 エコツーリズムの市場において収益を上げるには、持続可能な観光を実現すると同時に、「ツアー造成にあたりエコツーリズムの概念そのものではなく、一部を組み込んだツアーを企画することが重要」(高梨氏)である。これは市場規模を拡大することだけでなく、消費者に分かりやすく、またエコツアーがトレッキング、ハイキング、カヤッキング、ホエールウォッチング等幅広い形態をとることができることを最大の利点として消費者の望むツアーが企画できることを高梨氏、広瀬氏ともにアピールした。