4月の出国者数、前年比42%減の72万人、訪日外客数も25%減

  • 2003年5月31日
 4月の日本人出国者数は前年比42.0%減の72万人となった(JNTO推計値)。減少率ではアメリカ同時多発テロ事件の影響による2001年11月の減少率43.8%に次ぐ下げ幅となった。イラク戦争、新型肺炎(SARS)、ゴールデンウィークの日並びの悪さが重なったことが影響したもの。訪日外客数では25.1%減の34万5000人となり、1971年の大阪万国博覧会以降の反動で30%台の減少を記録して以来の減少率となった。
 なお、国際観光振興会(JNTO)のSARSによる訪日旅行の影響に関する調査では、5月の変化としては中国からの観光団体ツアーの全面中止しているほか、台湾からの訪日旅行者数は昨年からほぼ半減となる約4万人に減少、日本側の受入姿勢が消極化し、宿泊拒否などの事態が起こっている。特に台湾では新たに訪日ツアーへの申込みが無くなる傾向だ。
 ただし、良い兆候としては香港では5月23日付の世界保健機構(WHO)の渡航自粛勧告の解除を受け、香港の旅行会社が格安訪日ツアーの販売を開始しており、韓国では日本を海外旅行の代替訪問先として注目している傾向が見られるという。