観光活性化フォーラム
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日本旅行医学会、第2回大会でSARSの情報も提供

  • 2003年4月17日
 日本旅行医学会は第2回日本旅行医学会大会を開催した。今回は旅行と健康増進をテーマとした討論を行う予定に加え、重症急性呼吸器症候群(SARS)の情報も提供するよう配慮された。大会の冒頭に国土交通省総合政策局観光部旅行振興課長の田端浩氏は「近年は旅行中の健康に気を配る旅客が多い。またSARSの流行では産業界と学会の協力で旅行者への理解を図る協調体制をとり、需要回復につなげたい」とし、業界と学会の関係の重要性を改めてアピールした。また日本旅行業協会(JATA)副会長の古木康太郎氏は「旅行業界では安心、安全を推進しており、旅行の手控えが見られるSARSの早期解決が望まれる。現在、日本旅行医学会が提供する情報は有用」と日本旅行医学会の情報提供に謝辞を表明した。
 なお、SARSに関しては特別レポートの中で日本旅行医学会専務理事の篠塚規氏が解説を行った。その中で「インフルエンザの死亡率は0.04%、SARSは母数が少ないものの約4%程度。主に飛沫感染、間接接触、直接接触を予防する必要がある」と語った。また「石鹸や流水での手洗いを徹底が最も重要。また、重要な予防としてうがいをする、人ごみを避ける、マスクをする、日常の十分な健康管理の順に対策を講じること」を提言した。なお、会場からの質問で「飛行機内での感染例は無いのか」との問いに対し、フランクフルト空港でストップオーバー時にSARSの疑いが指摘されていることを紹介。ただし、この症例では「機内で旅客に感染の疑いを広げた報告は無く、フランクフルト空港の検査体制の厳重さは秀逸」と回答した。