JNTO、SARSに伴う各国の対応、および訪日旅行の影響を公表

  • 2003年4月7日
 国際観光振興会(JNTO)はこのほど、重症急性呼吸器症候群(SARS)に伴う各国の対応、および訪日旅行への影響をまとめた。これによると各国とも渡航情報で注意を呼びかけているほか、出入国で厳重な警戒をしている。また、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)で重点地域に掲げる各国の反応では、香港人旅客の航空需要が3割から4割の減少であるものの、その他は軽微に留まっている。なお、各国市場の日本への旅行需要の詳細は下記の通り。

▽訪日旅行の動向
・韓国:SARS感染地域・国から日本、オーストラリアへの誘導の動きがあり、日本への旅行商品の売れ行きは落ちていない。
・中国:北京では香港への旅行にキャンセルが出ているものの、日本は影響が少ない。広東省は海外からの旅行客の受入れはほぼ全滅。海外への旅行もキャンセルが出始めている
・香港:香港人の海外旅行は壊滅的な状況。日本への旅行は他の地域よりも落ち込みは少ないものの、前年比80%減
・台湾:訪日旅行のキャンセル率は前年比10%減程度。ただし、日本は衛生面の水準が高いとの報道があり、旅行先を日本に変更する旅客も見られる
・タイ:航空機、空港の利用に危険性が報道、シンガポール航空(SQ)やキャセイパシフィック航空(CX)では多数のキャンセルが出た模様
・シンガポール:感染者がいる地域、国を避け、バリ、マレーシアへの渡航者が増加。訪日旅行は15%減
・オーストラリア:中東情勢、朝鮮半島情勢、SARSで訪日旅行離れが目立ち、取扱量は前年比50%減から60%減を推移
・アメリカ:地域により日本を経由する航空需要にキャンセルのばらつきが見られる。訪日旅行に関しては現在のところ、キャンセルは少ない
・カナダ:白人系カナダ人に関しては日本は戦争・疫病とは関係ない安全な国との認識があり、キャンセルはほとんど無い。中華系カナダ人は日本のみの旅行に関してもほぼ全滅
・ドイツ:現段階で訪日ツアーに影響なし