日経調、観光へ10の提言を受けた議論、発想を転換し文化に投資
社団法人日本経済調査協議会(日経調)は先ごろ「国家的課題としての観光(ツーリズム)」としてまとめた基本認識と10の提言を受け、このほど学識経験者、実務経験者、行政担当者を集めパネルディスカッションを開催した。提言ではツーリズムが経済的効果だけでなく、来訪者と地域住民の相互理解を促進するために、国の魅力を増すことが提案され、21世紀は物流ではなく文化や知の交流を通した人の流れ、「人流」の時代であるという認識が打ち出されている。
パネルディスカッションでは、各パネリストからの具体例や研究成果を元にした議論が繰り広げられた。たとえば、東京大学大学院工学研究科教授の西村幸夫氏が岐阜県高山市の街並みが観光客を集める理由として、景観のあるべき姿が具体的に方向付けられており、それに見合うかたちで行政と市民が一体となって取り組む事例を紹介。またオリエンタルランド社長の加賀美俊夫氏は、現在の東京ディズニーランドの成功は浦安市など行政と長年の折衝を経て、街の都市計画にも携わったことからディズニーのイメージを損なわない空間を創造できた経験を述べた。この実例を踏まえ、国立民族学博物館民族社会研究部長の石森秀三氏は、「今後はこれまで行なわれてきた公共事業への投資ではなく、人や文化に対して投資をする必要性があり、発想の転換が求められている」と訴えた。民間の意見を受け、国土交通省政策統括官の鷲頭誠氏は「国としても観光の重要性を十分に理解しており、観光分野ではこれまでにない予算要求を行なっている。今後も、民間の現場での経験が豊富な人と議論の場を設けていきたい」と抱負を述べた。
パネルディスカッションでは、各パネリストからの具体例や研究成果を元にした議論が繰り広げられた。たとえば、東京大学大学院工学研究科教授の西村幸夫氏が岐阜県高山市の街並みが観光客を集める理由として、景観のあるべき姿が具体的に方向付けられており、それに見合うかたちで行政と市民が一体となって取り組む事例を紹介。またオリエンタルランド社長の加賀美俊夫氏は、現在の東京ディズニーランドの成功は浦安市など行政と長年の折衝を経て、街の都市計画にも携わったことからディズニーのイメージを損なわない空間を創造できた経験を述べた。この実例を踏まえ、国立民族学博物館民族社会研究部長の石森秀三氏は、「今後はこれまで行なわれてきた公共事業への投資ではなく、人や文化に対して投資をする必要性があり、発想の転換が求められている」と訴えた。民間の意見を受け、国土交通省政策統括官の鷲頭誠氏は「国としても観光の重要性を十分に理解しており、観光分野ではこれまでにない予算要求を行なっている。今後も、民間の現場での経験が豊富な人と議論の場を設けていきたい」と抱負を述べた。