日本旅行医学会、「ロングフライト血栓症」の名称を提言

  • 2002年7月5日
 日本旅行医学会は、いわゆる「エコノミークラス症候群」を「ロングフライト血栓症」に改称することを提言した。この症状は長時間動かないことで発生する深部静脈血栓症と肺塞栓症で、特に長時間の航空機での旅行後などに発生することが多い。しかし、これまでの「エコノミークラス症候群」では予備知識のない人々にとって、狭いエコノミー席が危険で、ビジネス、ファーストクラスは安全のような誤解を与え、解説を聞かなければ実情が理解し難い言葉であった。そこで、6時間以上の長時間フライトに伴う病気という意味を付け加え「ロングフライト血栓症」という言葉を提唱。今後は「ロングフライト血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)」との表記を当面の間使用し、一般に普及した時点で「ロングフライト血栓症」と単独での使用に変更する。同学会では今回の改称の提言により、適切で分かりやすい言葉を通じて多くの旅行者に症状について正しい理解してもらい、命にもかかわる疾患の予防に貢献したいという。