免税制度、11月1日からリファンド方式へ 出国前の税関確認が必須に、主要7空港ではVisit Japan Webにも対応
外国人旅行者向け消費税免税制度が11月1日、従来の店頭免税方式から「リファンド方式」に移行する。訪日外国人旅行者は免税店でいったん税込価格で商品を購入し、出国時に税関による持ち出し確認を受けた後、消費税相当額の返金を受ける仕組みとなる。
全国免税店協会は、観光庁、国税庁、財務省関税局、デジタル庁などと説明会を開催し、新制度の概要や空海港での手続き、Visit Japan Webの活用、免税店や地方への影響などを説明した。
今回の制度変更は、免税品を国内で転売するなどの不正利用への対策が主な目的。国税庁によると、これまでは免税店で税抜価格で販売していたが、新制度では税込価格で販売する。旅行者は購入日から90日以内の出国時に税関の確認を受け、確認情報が免税販売管理システムを通じて免税店側に連携された後、返金を受ける。
出国時の税関確認、保安検査前に
旅行者にとって特に大きな変更となるのが、空港での手続きだ。財務省関税局によると、従来は保安検査後のエリアで行っていた税関確認を、11月からは保安検査前の一般エリアで実施する。
旅行者は空港や海港に設置される専用端末にパスポートをかざして手続きを行う。判定が「グリーン」の場合はそのまま税関確認が終了する一方、「レッド」と判定された場合には税関職員が購入品の所持を確認する。商品を確認できなければ返金は受けられない。
関税局は、端末を利用するすべての旅行者の商品を実際に確認するわけではなく、一定の基準に基づきレッド判定となった旅行者について商品を確認すると説明。判定基準は取り締まりに関わるため公表しないとしている。
また、税関確認後に購入品を第三者へ渡すなどの不正も想定しており、商品確認場所には職員を配置して対応する。税関確認後に何らかの理由で出国しなかった場合も、状況に応じた対応を行う。次の出国が確認できないまま国内に戻る場合には、消費税を即時徴収する運用を予定しているという。
「チェックイン前」の手続き周知、主要7空港ではVJW対応
こうした変更に伴い、旅行者には「チェックイン前」の手続きが重要になる。観光庁は、免税品をスーツケースなどに入れて預ける前に税関端末で手続きを行う必要があるとして、主要空港などで「Tax Refund Before Check-In」を掲げた広告やデジタルサイネージによる案内を展開する。
成田、羽田、関西、中部、新千歳、福岡、那覇の主要7空港では、Visit Japan Webを利用した出国時のオンライン手続きにも対応する。デジタル庁によると、旅行者自身のスマートフォンから税関確認の手続きを行えるため、混雑時などには専用端末に並ばずに手続きを進められる。
特殊包装や購入上限を撤廃、免税店の負担軽減
一方、免税店側では事務負担の軽減も見込まれる。一般物品と消耗品の区分が廃止されるほか、消耗品に設定されていた50万円の購入上限や特殊包装の要件も撤廃される。
全国免税店協会は、特殊包装などの店頭作業がなくなることで、販売側の負担だけでなく旅行者の待ち時間も減少すると期待する。消耗品の上限撤廃についても、購入額の増加につながる可能性があるとみている。税込価格でいったん購入することによる買い控えについては、欧州などでも一般的な仕組みであることから、現時点では大きな影響は想定していないとした。
ただし、新たに返金業務が発生する。実際の返金では、免税店が返金事業者などと契約し、旅行者がクレジットカード情報や二次元コード決済などの返金先情報を登録するケースが想定される。このため、免税店には購入時に返金手続きを案内する役割も加わる。
地方の免税店拡大も後押し
制度改正では地方の免税店拡大も狙う。免税販売手続きを外部に委託できる範囲が広がることで、人手不足やシステム対応が障壁となっていた地方の小規模店舗でも免税販売を導入しやすくなる。
観光庁によると、2025年の訪日外国人旅行消費額は9.5兆円で、うち買物代は2.6兆円と約3割を占める。ショッピングは訪日の主要な目的の一つであり、政府は新制度への円滑な移行とともに、地方での消費拡大にもつなげたい考えだ。

