「贅沢さはホテルではなく体験の中にある」——Red Savannahが仕立てる、地方への旅

  • 2026年10月1日

 英国でオーダーメイドの旅づくりを手掛けるRed Savannahで、Destination Specialist – Japan & Southeast Asiaを務めるサム・グールド(Sam Goold)氏。同社が日本向けに手掛ける旅程は年間7〜10件と決して多くはないが、その一件一件に込められた密度の濃さには理由がある。

サム・グールド氏
-日本を担当されてどのくらいになりますか。専門性はどのように培われてきたのでしょう。

サム・グールド氏(以下敬称略) およそ5年になります。専門性はプライベートでの訪問と、FAM(視察)ツアーの両方を通じて培ってきました。

-現在、年間どのくらいの日本旅程を手掛けていますか。どのような客層が多いのでしょう。

グールド 年間7〜10件ほどです。お客様の多くは50代以上のご夫婦で、10代のお子様をお持ちのご家族も一部いらっしゃいます。

-旅程設計のプロセスを教えてください。

グールド まずはお電話やTeams、Zoomでお客様とお話しし、旅の内容についてご興味に合わせられるよう協議します。そのあとに最初のご提案案を作成してご確認いただき、フォローアップのお電話をしながら、お客様のご希望どおりになるまで何度でも修正を重ねていきます。

-現地(日本)パートナーとの協業の仕方について教えてください。

グールド お客様との初回のお電話が終わった後、すぐに弊社のDMCにブリーフィングを共有します。そこからDMCが旅程をより良くするための提案を加えてくれたり、こちらが提案した内容の中で現実的でない部分を指摘してくれたりします。設計の割合は社内とDMCでほぼ50対50で、パートナーシップとして機能しています。私からアイデアを提案することもあれば、その逆もあります。

-貴社ならではの体験、一般にはなかなかアクセスできない特別な体験はどのように見つけているのでしょうか。

グールド 主にDMCと、私が個人的に持っている県の観光担当の方々との関係から得ています。DMCは常に新しく特別な体験をアップデートしてくれますし、県を代表する担当の方々についても同様です。

-現地パートナーとはどのように出会ったのでしょうか。

グールド パートナーとの出会いは、知人からの個人的な紹介と、あるトレードショーでの出会いがきっかけでした。そこから始まった関係が、その後非常にうまく発展してきており、お互いに日本向けのビジネスを成長させることができています。現在は日本全体を通じて、そのDMC1社と単独で組んでいます。

-日本のガイドについてどうお考えですか。

グールド ガイドはDMC経由で手配しています。ガイドの質は、東南アジアなど他の地域と比べても非常に安定していると感じています。日本全国のガイドが優れているという声を、お客様から定期的にいただいており、仮に指摘があっても、それは非常に高い期待値ゆえのものにすぎません。知的好奇心の強いお客様の場合には、そのお客様の知的・文化的背景を詳しくまとめたブリーフをDMCに送り、そこから最適なガイドを見つけてもらうようにしています。

-宿泊施設について、特にこだわっている点はありますか。

グールド 旅館は日本での旅の体験に欠かせない要素だと考えており、私自身、日本を訪れるお客様には必ずおすすめしています。ただ、旅館はホテルとは異なり、同じレベルのコンシェルジュサービスは受けられないという点は事前にきちんとお伝えして、期待値を調整するようにしています。とはいえ、お客様は旅館への宿泊をいつも楽しみにしてくださっていますし、特に東京や京都以外のエリアでは、国際系のホテルよりも旅館を強くおすすめしています。ひとつ気をつけているのは、旅館での連泊が続きすぎないようにすることです。懐石料理の夕食が何日も続くと、さすがに負担に感じられてしまうことがあるからです。