平日需要の創出へ啓発強化、JATA「平日に泊まろう!」3年目継続
JATA 野浪健一氏
日本旅行業協会(JATA)は、国内旅行需要の平日シフトによる総需要拡大と混雑緩和を目的に実施している「平日に泊まろう!」キャンペーンを2026年度も継続する。インバウンド拡大が進むなか、日本人旅行需要の維持と平準化を業界横断で促す啓発施策として3年目に入る。
インバウンドを含め国内旅行市場は拡大基調にある一方、ゴールデンウィークや土日、連休への需要集中や特定地域での混雑が顕在化している。JATA国内旅行推進部長の野浪健一氏は会見で、大都市圏では宿泊単価が上昇する一方、日本人宿泊者数が前年割れする月も出ていると指摘し、価格上昇や予約難が日本人旅行需要の抑制要因になりつつあるとの認識を示した。
同氏は、国内需要を維持しながらインバウンド拡大を図るには、日本人の休み方改革による需要平準化が不可欠と強調する。平日旅行の促進は、オーバーツーリズム対策であると同時に、宿泊施設の持続可能性向上や賃金改善にもつながる社会課題への対応との位置付けだ。
キャンペーン内容は前年度と同様で、JATA会員旅行会社で1人1万円以上の平日宿泊を含む旅行を購入した利用者を対象に、抽選で次回旅行に利用できるクーポンを進呈する。宿泊期間は2026年4月1日から2027年3月31日の中で4期に分かれ、各期40人に3万円または1万円のクーポンが当たる仕組み。
野浪氏は、目標数値は設定していないとしつつも、応募者数は年々増加しており、2025年度は前年比200%超の伸びとなったと説明した。また、自治体が独自施策と連動して紹介する事例や、旅行関連サイトでの掲載増加など、啓発効果は広がっているとした。
国内旅行消費額は堅調に推移しているが、JATAは「伸びしろは平日にある」と示す。平日シフトが進まなければ、日本人旅行需要の減退とインバウンド受入余地の制約が同時に生じかねないとの危機感から、国の「ポジティブ・オフ」や自治体の「ラーケーション」との連動を視野に、社会全体での休暇取得促進ムーブメント醸成を図る考えだ。