モネ没後100年で印象派を訴求、仏観光開発機構が日本市場に照準
(左から)ノルマンディー印象派フェスティバル 総合ディレクターのフィリップ・プラテル氏、「ノルマンディーとパリ地方 印象派を巡る旅」プロジェクトリーダーのナタリー・ルセール氏、ノルマンディー地方観光局 アジア市場プロジェクト担当のサビーヌ・パニエ氏、フランス観光開発機構 日本およびASEAN代表ジャン=クリストフ・アラン氏
フランス観光開発機構はこのほど「印象派を巡る旅 2026 モネ没後100年を記念するノルマンディーとパリ地方」としてプレス発表会を開催。ノルマンディー地方からミッションが来日し、2026年に同地方で開催されるモネ没後100年および第2回目となる「印象派フェスティバル」に関するイベントについての発表を行った。同地方では印象派にまつわる100以上のイベントを開催し、集客を図る計画だ。
■ モネゆかりの地を通し体験型のイベントを開催
2026年の周年イベントはフランスを代表する印象派の画家、クロード・モネが活動したパリやノルマンディー地方を中心に開催される。3月から画家の没した地、ジヴェルニーの印象派美術館での特別展をはじめ、ル・アーヴルのアンドレ・マルロー美術館、パリのマルモッタン・モネ美術館やオランジュリー美術館で特別展などが開かれる。
また、これまで限定公開だったヴェトゥイユのモネの家が4月から見学可能となるほか、実際にモネが絵を描いた場所での絵画制作や、モネの足跡を辿るセーヌ河畔からノルマンディー地方のハイキングやサイクリングといった体験型プログラムを用意している。
ノルマンディー地方観光局 アジア市場プロジェクト担当のサビーヌ・パニエ氏は「ジャポニズムに影響を受けたモネをプロモーションするにあたり、日本は欠かせない市場。旅行会社の工夫を凝らした商品造成を期待したい」と語った。
■ 印象派フェスティバルは150万人を見込む
2026年印象派フェスティバルは2024年の印象派誕生150年の際に第1回目が開催されたもので、今回が第2回目となる。
ノルマンディー印象派フェスティバル 総合ディレクターおよび芸術ディレクターのフィリップ・プラテル氏によると、2024年3月から9月に開催されたフェスティバルの来訪者は約200万人で、そのうち海外からの来訪者は約15%。また参加者の7割が若年層で「ルーアンでDJを呼んで行ったプロジェクションマッピングイベントなどを通し、若い層が芸術に触れる機会となった」。期間中の経済効果は約8000万ユーロを計上したという。2026年は現代アートを中心に5月から9月に開催予定で、期間内で150万人の来訪者を見込む。またフェスティバルは2026年開催後、隔年開催となる。
フランス観光開発機構 日本およびASEAN代表のジャン=クリストフ・アラン氏は、日本市場の動きについて「弱含みであるが上昇傾向にはある」としたうえで、最近の急激な円安ユーロ高に不安を示す。しかし「印象派」という日本市場に訴求力の高いコンテンツ、さらにワインをテーマとした人気漫画「神の雫」が2026年に相次いでアニメ化、ドラマ化されることなどを通し、潜在需要の高まりを期待。「フランスが求めているのは小グループの質の高い旅を求める市場」と語り、高品質素材の提供を図っていく考えだ。