日本は「一人旅」と「食の旅」志向が強く、独Omioが2025年旅行トレンドを発表
交通比較予約プラットフォームの独Omioは、世界8カ国を対象にした旅行トレンド調査「NowNext ’25」を発表した。日本では円安が続く中でも旅行意欲が衰えず、「一人旅」や「食」をテーマにした旅行が関心を集めていることが明らかになった。特にZ世代では67%が「より頻繁に旅行したい」と回答し、若年層を中心に旅への熱が高まっているという。
Omioと調査会社YouGovが共同で実施した本調査は、日本を含む8カ国の成人1万555人を対象に2025年の旅行意識を分析したもの。日本人1000名の回答をもとにした結果では、旅行への意欲が依然として高く、円安という経済環境のなかでも「旅行をしたい」と答えた割合は57%に達した。
特に際立ったのは「一人旅」への関心で、日本は24%と世界平均を7ポイント上回り、調査対象国の中で最も高い結果となった。背景には「日常から離れたい」という心理の広がりがあるとみられる。また、「食をテーマにした旅」への関心も45%と世界平均を12ポイント上回り、地域の食文化体験を目的とした旅行が日本人の旅の中心に位置づけられている。
さらに、テレビドラマや映画をきっかけに旅先を決める「聖地巡礼」型の旅行も27%と高水準を示した。国内の観光地にとっては、コンテンツとの連携による誘客促進の可能性がうかがえる結果となった。
国内旅行を予定している割合は79%と国内志向が依然として高いが、Z世代では海外、特にヨーロッパへの関心が強い傾向も明らかになった。
世代別にみると、Z世代はSNSを活用して旅先を探す割合が高く、計画的かつコスト意識の高い旅を志向している。ミレニアル世代では混雑を避けたサステナブルな旅行への関心が強まり、地方や第二の都市への注目が高まっている。X世代は文化体験や歴史的な場所への興味が強く、ベビーブーマー世代は国内を中心にユニークな体験や文化探訪を重視する傾向がみられた。



