アゴダ、日本市場への投資拡大 AI導入で利便性と信頼性を向上

  • 2025年10月10日

 アゴダは、日本市場へのコミットメントを一層強化する方針を示した。観光庁との連携を深めながらプラットフォーム機能を改善し、東京・虎ノ門ヒルズに新オフィスを開設するなど、日本事業を拡充している。今年同社は、予約したホテルの客室が確保されていないといったトラブルが報じられたが、信頼回復に向けて体制の強化と品質向上を進めている。

 発表によると、同社はAIを活用した課題検知ツールを導入し、コンテンツの不整合や料金誤表示を事前に特定できる仕組みを構築した。新システムでは不適切な料金の自動検出・ブロック機能を搭載し、カスタマーサポート担当者が部屋情報の誤りを迅速に修正できるよう管理機能を強化している。

 また、第三者サプライヤーに対するコンプライアンス基準を厳格化し、契約条件の見直しを行った。違反時の罰則を明確化することで、宿泊施設および旅行者が安心して利用できる環境整備を進めている。サポート面では、日本語による24時間365日のカスタマーサポートを開始し、チェックイン時のトラブルに対して従来よりも手厚い補償を提供する体制を整えた。

 これらの改善は、アゴダCEOのオムリ・モーゲンシュターン氏を中心とした特別タスクフォースが、観光庁および宿泊施設パートナーと協力して進めている。モーゲンシュターン氏は「観光庁をはじめ多くのパートナーの助言に感謝しており、日本の旅行者がより安心して予約できるようになった」とコメントしている。

 さらにアゴダは、事業基盤の拡充として虎ノ門ヒルズ ステーションタワーに新オフィスを開設した。東京を代表するビジネスエリアに拠点を構えることで、日本市場への長期的な投資姿勢を明確に示している。現在、東京と大阪に加え、横浜にも専任のカスタマーケアチームを配置しており、全国的なサポート網の強化を図っている。

 同社はまた、日本の宿泊施設パートナーとの関係強化にも注力している。グローバルリーダーシップチームと国内ホテル事業者による戦略セッションを開催したほか、グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)と共催するサステナビリティ研修を実施し、持続可能な観光産業の発展を支援している。