20代女性が海外旅行回復牽引、JTBが最新レポートを発行

  • 2025年8月20日

 JTBは、日本人海外旅行市場に関する調査結果をまとめた「JTB海外旅行レポート2025 日本市場における海外旅行のすべて」を発行した。同レポートによると、2024年の海外旅行者数は1307万人に達し、5年ぶりに1000万人の大台を突破した。しかし、韓国や台湾が2019年比で99%まで回復しているのに対し、日本は35.2%減にとどまり、東アジア地域内で回復の遅れが目立つ。

 旅行者層別では、20代女性の出国率が29.4%と同年代人口の約3割に達し、他の性年代と比べても圧倒的に高い数値となった。2019年と比べて全体の出国者数は減少しているものの、20代女性が市場の主導層となっている。一方、かつて主力層であった30~50代男性の回復は鈍く、市場構造の変化が浮き彫りとなっている。

 また、為替に対する意識調査では、30代以上では「円高になれば行きたい」とする慎重な姿勢が目立ったのに対し、30歳未満の若年層は為替への抵抗感が少なく、旅行の意思決定に大きな影響を及ぼしていない実態が明らかになった。特に30歳未満の女性では、為替を意識していない、あるいは適正水準がわからないとする回答が最も多く、今後もこうした若年層が海外旅行市場の需要回復をけん引すると見込まれる。

 本レポートはJTB総合研究所が編集・発行しており、1988年の初版以来38回目の発行となる。調査は独自アンケートおよび関連機関の統計資料をもとに実施され、8月19日よりJTB総合研究所の公式サイトにて販売が開始された。