訪日・欧州・ハワイで好調、HISの6月旅行取扱高が前年超え

 HISが発表した2025年6月の旅行取扱高は、前年同月比106.6%の262億4955万円を記録した。欧州や北米方面を中心とした海外旅行が牽引し、訪日旅行も団体・インセンティブ需要の回復で大きく伸長した。

 海外旅行は前年同月比107.2%の211億6701万円と堅調に推移し、特に欧州や北米方面が好調だった。燃油サーチャージの引き下げや円高基調を背景に、ハワイ・ミクロネシア方面は114.2%、北中南米は115.6%と前年を大きく上回った。一方、アジア方面ではLCCの減便や機材縮小の影響で96.4%とやや減少した。

 訪日旅行は、団体旅行や企業視察の受入が引き続き伸び、前年同月比118.6%の11億5412万円を記録した。特に北海道では、FIT向けランドパッケージの販売が好調で、地域別では124%と大幅に増加した。グループ会社によるラベンダー観光ツアーも好調だった。

 国内旅行は前年並みの39億2842万円(100.8%)となったが、万博関連商品を中心に関西方面での予約が増加し、同地域では154%と高い伸びを示した。また、花火大会を絡めた観光商品も多様なニーズに応える形で展開された。

 販売チャネル別では、店舗販売が114.5%、オンライン販売が108.8%と両チャネルともに堅調だった。商品別では、企画旅行が122.0%、手配旅行が102.9%を記録した。

 一方、海外現地法人による取扱高(海外における旅行取扱高)は、前年同月比102.0%の264億7766万円となった。特にインバウンド事業が120.7%と大きく伸びており、オーストラリア、バリ島、フランス、カナダなどで観光需要が高まった。アウトバウンドは80.2%と減少したが、ブラジルやイタリアなど一部地域では堅調だった。