受賞者（左から）クラブツーリズムマーケティング本部営業企画部の鈴木光希氏、トラベルハーモニーの三瓶眞紀氏、JTB高松支店の山田裕木氏

　日本旅行業協会（JATA）は26日、第3回「JATA SDGsアワード」の受賞者を発表した。今回は前年を上回る57件・25社からの応募があり、そのうち14社が初参加となった。選考の結果、4部門で合計22件の取り組みが大賞・優秀賞・特別賞・奨励賞として表彰された。

　最高位となる大賞には、近畿日本ツーリストの「オストメイトのための温泉日帰りツアー」が選ばれた。同ツアーは内部障がい者の旅行環境改善を目指したもので、旅行機会の創出だけでなく、関連企業や社会全体への理解促進にも寄与する点が高く評価された。

　経営部門の優秀賞には、JTBによる「クセモノを地域のタカラモノに」と題した、未利用魚や廃棄食材を活用したサステナブル拠点「クセモノズ」に関する取り組みが選出された。同拠点では地域と旅行者の接点を創出し、地域の社会課題を観光資源として再評価するモデルを示した。

　文化部門では、今回が初参加となったトラベルハーモニーが「撮影旅行から始めるサステナブルアクション」で優秀賞を受賞。写真を通じて地域文化に触れる旅を企画し、地域経済にも好影響を与える取り組みが評価された。環境部門ではクラブツーリズムの「旅するいきもの大学校」が選ばれ、中山間地でのリジェネラティブ・ツーリズムによる地域活性化に貢献した。

　JATAの菅野貴総務部長は会見で、初の申し込みが14社あったことに触れ「SDGsの取り組みが会員各社でも広がってきた」と評価する一方で、まだ全体の応募社数が会員の2%程に過ぎないことから、「すそ野を広げるためにも今後も受賞事例の発信などサポートを強化していきたい」と示した。なお、本アワードの表彰式は7月2日に予定されている。

　審査結果は以下の通り。