「従業員満足が企業成長につながる」金沢彩の庭ホテルが優秀FM賞

日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)は2月25日、「第19回 日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)」の授賞式を開催し、優秀FM賞に選ばれた金沢彩の庭ホテルらが参加した。
JFMA賞は、ファシリティマネジメント(FM)に関する優れた取り組みや業績を表彰することで、国内でのFMの普及・発展を目的としたもの。19回目となった今回では、コロナ禍を通し幅広い働き方が広がる中で、従業員のウェルビーイングをどう達成するか、そのためにワークプレイスをいかに運用するかといった取り組みが多く見られた。
同表彰におけるホテル業界からの選出は金沢彩の庭ホテルが2例目。第4回にソラーレ ホテルズ アンド リゾーツが同じく優秀FM賞を受賞しており、同業界として2009年以来の選出となった。
今回評価を得たのは、業務の負担軽減と従業員の満足度向上を目的としたバックヤードの改善。従業員満足度の向上が、顧客満足向上及び企業収益へと繋がる「サービスプロフィットチェーン」の考えから実施したもので、休憩などに利用するバックヤードを170㎡増築し、広さをこれまでの1.5倍にした。また、客室と同様の設備を備えた仮眠室を設置するなど、働きやすい環境を整備した。
その他、ハウスキーピング用の備品を集めたバックヤードルームも、1カ所だけだったものを2022年4月に各階に設置。収納を全て同じ配置にすることで、業務効率化・負担軽減を図ったという。
これらの取り組みに対し、審査委員を務めた東京大学・工学院大学の長澤泰名誉教授は「ホテル業界では、これまであまりFMに目を向けられてこなかった。バックヤードの部分はおざなりになることも多いが、従業員のことを考えてしっかりと整備されている」と評価。
授賞式に出席した同ホテルの髙田恒平代表は「(ホテルが位置する)石川県は昨年の元旦に大きな地震に見舞われたが、FMへの取り組みを通し、スタッフ一丸となって困難を乗り越えることができた。(FMへの取り組みは)業界ではまだまだ稀なケースだが、今後業界全体に普及させていきたい」とコメントした。