観光庁祓川長官、JATAのパスポート無料配布に慎重姿勢「行く動機重要」

  • 2024年9月18日
観光庁 秡川直也長官

 観光庁長官の秡川直也氏は18日、定例会見を実施。同日に発表された8月の出国日本人数は2019年同月比68.1%の143万7100人に留まるなど、未だ苦戦が続くアウトバウンド。祓川氏は、引き続き為替や現地の物価高などの影響が強いとの考えを示した。

 アウトバウンド復活に向けた動きでは、日本旅行業協会(JATA)高橋会長が新成人へのパスポート無料配布を政府に要請することが一部で報道されている。これに対し祓川氏は「パスポート保有率の低さは理解しており、(2022年に就任していた)観光庁次長の時から同様の要望はいただいていた」と話す一方で、「パスポートを持つことも大事だが、海外へ行く動機がなければ行っていただけない」と慎重な考えを示しており、「なるべく効果に直結するような施策をやるべき」と続けた。

 祓川氏によると、パスポート無料配布の施策については今後JATAと協議を行うが、費用対効果なども含め検討が行われるという。

 また、来週に開催を迎える「ツーリズムEXPOジャパン2024」。祓川氏は「国内外あらゆる地域に関して触れられる機会。是非たくさんの方に来ていただきたい」とコメントを寄せるとともに、自身へも各国関係者から商談等の要請が来ていることから、「なるべく積極的にこの機会を活かしていきたい」と述べた。