トップインタビュー アーク・スリー・インターナショナル 代表取締役社長 宮本 大 氏

-長きに渡りホールセール事業を営まれていますが、今後の目標はどのようにお考えでしょうか。

宮本 ホールセール事業においては、航空券の多様化に対応し、よりきめ細やかなサービスを提供できるよう体制強化を進めております。また、関西圏ではある程度認知されているものの、その他の拠点ではまだまだ後発組で、私たちの努力が不足していると痛感しており、この部分は課題であると捉えています。

 また、最新の技術にもいち早く対応できるよう、システム開発や外部との提携も含めて取り組んでおります。NDC導入にも積極的に取り組んでおり、シンガポール航空などではGDS系のNDC予約も増加しています。今後、取り扱い量によっては航空会社との直接NDC接続も検討し、準備が整い次第、B2B販売サイトへの展開も視野に入れています。

-今後、旅行会社と、旅行会社を取り巻く環境はどのように変わっていくとお考えですか?

宮本 旅行業界は、旅行者のニーズの多様化、テクノロジーの進化、持続可能性(サスティナビリティ)への意識の高まりなど、様々な要因によって変化しています。旅行会社は、これらの変化に柔軟に対応することは勿論ですが、それぞれの会社が「独自の価値を商品・市場・顧客に対して」、「独自の手法で提供すること」が重要になってくると思います。

 また、ホールセラーとして、旅行会社の皆様に、多様な航空券商品、リアルタイムの在庫情報、需要予測といった付加価値を提供することで、変化する旅行市場において共に成長していきたいと考えています。

-現在抱えている課題、或いは取り組んでいる挑戦はございますか?

宮本 現在、優秀な人材の確保と育成に力を入れております。専門知識や経験が求められると同時に、変化への対応力やコミュニケーション能力も不可欠です。社員一人ひとりがプロフェッショナルとして成長できる環境を整え、お客様に最高のサービスを提供できる組織づくりを目指しています。

 お客様に最高のサービスを提供し続けることができる組織作りとはすなわち、常に次のプロフェッショナルに成長してもらうことも目指す必要があります。今まで弊社では経験者の中途採用しか行っておりませんでしたが、コロナ後は他業種でも社会人経験がある第二新卒の採用を積極的に行っております。4拠点ありますが、総勢30名ほど第二新卒を採用しており、ホテルなどでの就業経験がある者はおりますが、旅行会社の業務は未経験者ばかりです。当初は、ベテラン社員と未経験者の間で業務レクチャーなどうまくいくか不安もあったのですが、想像以上にスムーズに進んでおります。

 また、まだまだマニュアルでの作業が多いのが課題で、人が行うこと、仕組みで行うこと、外部連携で作業の切り分けなどを進めています。