ステマ規制に注意喚起、11月にはフリーランス新法も-旅公協が通常総会
旅行業公正取引協議会(旅公協)は26日、第40回通常総会を開催した。制定する公正競争規約の基となる景品表示法を巡っては、昨年10月には広告・宣伝と分からないように商品、サービスの利用を促すステルスマーケティングの規制が開始され、さらに今年10月には改正景品表示法が施行される。ステマ規制では、今月7日に都内の医療法人に対して、口コミへの高評価投稿を条件にサービスの割引を行ったとのことから開始以降初の措置命令が出されたばかりだ。
出席した公正取引委員会事務総局取引企画課長の西川康一氏は、今後旅行業者にも関わる新たな動きとして、今年11月に施行される「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)」を挙げた。主に、フリーランスと企業等発注事業者間の取引適正化や就業環境の整備を目的としたものだが、業界においては観光ガイドや通訳業務などでフリーランスへ委託するケースがあるとのことで注意を呼び掛けた。
23年度の事業報告によれば、相談業務における昨年度の相談件数は計407件。相談内容の内訳は、景品規約が73件、表示規約が243件、その他法令が91件だったが、会員からの相談については下請法に関する案件が前年比260%も増加したという。
昨今のweb広告の増加を受け、旅公協では昨年度にWeb広告表示審査会を4回実施。違反行為には至らないものの不適切な表示があった会員には是正指導を行ったというが、主な指摘事項として「会員マークの非表示」と「不適切な旅行代金表示」が見られたと報告した。また、昨年度における公正競争規約違反被疑事案件数は、景品規約違反2件、表示規約違反3件の計5件だった。
総会にて承認された24年度の事業計画では主に昨年度の事業計画を踏襲するが、来年1月に設立40周年を迎えることから、年間を通した広報活動や祝賀行事等のイベントを検討、実施する。
また、拝郷寿夫氏(名鉄観光サービス)、若林慶太郎氏(ANA X)の理事2名が辞任したことから、役員補充選任に関する議案が承認され、新たに神田真也氏(ANA X)が理事に選ばれた。新役員体制は以下の通り。
旅行業公正取引協議会、新役員体制
役職 | 氏名 | 所属先と役職 |
---|---|---|
会長 | 小谷野 悦光 | 日本旅行 代表取締役社長 |
副会長 | 橋本 肇 | エヌオーイー 代表取締役社長 |
副会長 | 近藤 幸二 | 全国旅行業協会 副会長 |
専務理事 | 蝦名 邦晴 | 日本旅行業協会 理事長 |
常務理事 | 杉浦 賢司 | 旅行業公正取引協議会 常務理事 |
理事 | 石川 邦大 | T-LIFE ホールディングス 代表取締役社長 |
理事 | 百木田 康二 | 東武トップツアーズ 代表取締役社長 |
理事 | 古木 康太郎 | グローバルユースビューロー 相談役 |
理事 | 坂元 隆 | 読売旅行 代表取締役会長 |
理事 | 菅井 雅昭 | 全国旅行業協会 専務理事 |
理事 | 髙橋 広行 | JTB 取締役会長 |
理事 | 平井 登 | ジャルパック 代表取締役社長 |
理事 ※新任 | 神田 真也 | ANA X 代表取締役社長 |
監事 | 福田 叙久 | ATI 相談役 |