グリンデルワルト観光局が来日、クオリティ重視の観光をアピール

  • 2024年3月25日

 グリンデルワルト観光局のブルーノ・ハウスウィルト局長とニック・ルビー会長がこのほど来日し、日本の旅行業者とメディアを対象に観光誘致に向けたプロモーションを開催。大阪会場では約30人、東京では約100人が参加した。プレゼンテーションではアイガー北壁やユングフラウヨッホなど、アルプス観光の拠点となる街としてのグリンデルワルトの利便性と日本との50余年に及ぶ交流を主張し、送客を強く訴えた。

Grindelwald
ブルーノ・ハウスウィルト局長

 スイス連邦政府の統計によると、スイスの2023年のホテル宿泊者数は国内外の観光客を合わせ対前年比9.2%増の約4180万泊を記録した。外国人客は同比21.8%増となる2090万泊で、これはパンデミック前の2019年の数値のわずか-3.3%だ。市場をけん引しているのは米国や中国、韓国、インドを中心とするアジア諸国で、「パンデミック前のレベルにほぼ戻った」と当局は見ている。スイスの地方別ではチューリッヒ地方が対前年比17.2%増、グリンデルワルトが属するベルン地方が14.1%増として続いている。

 ハウスウィルト局長によると、グリンデルワルトの観光市場は好調に推移しており、計8069室のホテルの稼働率はスイスでも上位に位置するという。同地を訪れる観光客市場はスイス国内が最も多く、海外市場では1位が韓国、2位がアメリカで、3位以下にドイツ、英国が続くという。2023年の日本人客の宿泊数は1万6791泊で依然戻りが鈍い。「円安、座席不足などで経済的にも困難な要因はあるが、日本の旅行業界とは長年のビジネスパートナーとして積み重ねてきた歴史がある。日本市場の力を信じている」と話す。ルビー会長も今回100人を超す参加者が集まったことにふれ「非常に心強く感じている」と語った。

Grindelwald
ニック・ルビー会長

 こうしたなか、グリンデルワルト観光局としてはピークシーズンの夏や冬だけでなく、春や秋など通年を通して楽しめる魅力や、のべ400キロ以上に及ぶ多彩なハイキングコース、輸出量はわずか1%という貴重なスイスワインや、2023年に誕生したミシュラン星付きレストランで楽しむ食といった高品質な素材をアピールしていく考え。さらに列車の乗り継ぎの利便性、ユングフラウヨッホの山頂まで毎時最大2200人を輸送できるロープウェイ「アイガーエキスプレス」に代表される観光効率の良さといった機能面も加えた質の高さを、全面的に打ち出していくとしている。