運賃改定、外国人運転手受入、自動運転、深刻化する人材不足に日本バス協会が支援求める

  • 2024年1月23日

日本バス協会(NBA)の清水一郎会長が18日実施された通常理事会で、国に対し再三の支援を求めた。業界にとってはいよいよ時間外労働の上限規制などに見られる所謂「2024年問題」を迎える。

NBA
日本バス協会 清水一郎会長

 清水会長が同理事会に参加した74名の前で訴えたのが、主に「定期的な運賃改定」「外国人運転手の受け入れ」「自動運転の本格化」「キャッシュレス対応」「EVバスの導入」の5項目。前半4つに関しては深刻となる人材不足に対応する施策で、運賃改定に関しては様々な制約があるなかで「人材確保のための賃上げを実現するにも原資が必要」と国に対し定期的な運賃改定実現を求めた。

 外国人運転手の受け入れにあたっては、現在宿泊や航空分野での活用が進む特定技能制度を活用した在留資格、および大型第二種免許の取得ができるよう制度の見直しを進める。また、実験は進むものの運用に至らない自動運転に関して清水会長は、2024年を「バスの自動運転本格化元年」と宣言、「(自動運転)スタートの年にしたい」と意気込みを語った。

 乗り合いバスにおける現金の取り扱いは人手不足の業界にとって大きな負担となっている。最近ではカードやスマホでの対応も進むなかで、運賃箱の代替や新札への対応など「二重投資となっている」(清水会長)。海外では、バスの利用の際にカードやスマホに限定する地域も出てきており、業界としては早期のキャッシュレス化を推進したい考えだ。