2024年、観光業界の本格回復なるか-年頭所感(4)(OTA、GDS)
長らく続いたコロナ禍も昨年5月に5類移行となり、本格回復が期待され迎えた2024年だが、能登半島での大地震、羽田空港で航空事故が発生し、亡くなられた方々にお悔やみを申し上げると共に、被災、事故にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げ、一日も早い回復を願うばかり。
業界としては、オーバーツーリズムや人手不足などの問題も深刻さを増すなか、業界団体や大手旅行会社、航空会社などのトップは今年をどう見るか。全4回にわたって各分野トップの年頭所感を掲載。第4弾ではOTA、GDS各社の年頭所感を紹介する。
※一部の年頭所感以外は、能登半島地震や航空機衝突事故発生前にいただいた・公開されたものです。
エクスペディア・グループ リテール日本統括ディレクター/代表取締役 木村奈津子氏
この1年、日本国内外共に旅行需要は大きく回復しました。パンデミックの際に今まで当たり前に様々な国へ渡航できていたのが難しくなったことで、旅行の価値や意義を再認識するきっかけになり、より多くの人々が今まで以上に旅行を重視するようになったと思います。渡航制限がほとんどの国において解除された昨年、逼塞時に求めていた海外への憧れを満たすリベンジ旅行だけでなく、旅行形態や目的にも多様性が広がってきているようです。当グループが最近実施した……続きを読む
アゴダ アソシエイト・ヴァイスプレジデント 北アジア地区統括/Agoda International Japan 代表取締役 大尾嘉宏人氏
2023年はインバウンド訪日旅行客も戻り、全体を通して旅行需要が回復した年になりました。アゴダもグローバルで見ますと、日本をはじめアジア各国でインバウンド以上にアウトバウンドが伸び、さらにそれ以上に国内旅行が伸びた結果となりました。昨年はアジア各国においてその旺盛な国内旅行需要を取り込むことができました。インバウンドの予約先でみるとアジアの中で日本が1位でした。またアウトバウンド予約実績では韓国が1位で、日本は2位でした。アゴダ全……続きを読む
リクルート 旅行Division Division長 宮本賢一郎氏
2023年は新型コロナウイルス感染症が5類移行となり、コロナ前の日常が戻りつつある中、国内旅行市場も順調に回復へと進んだ1年だったと思います。一方で宿泊業界における人手不足は深刻なもので、日本の労働人口減少の中、旅行Divisionとしても従来のマッチングプラットフォームとしての役割から、人材確保の支援、業務支援、フィンテックサービスまで役割を広げ、より速く、よりシンプルな企業経営のサポートを強化した1年でもありました。観光業界は、あらゆ……続きを読む
楽天グループ上級執行役員 コマースカンパニー トラベル&モビリティ事業 ヴァイスプレジデント 髙野芳行氏
2023 年は、「楽天トラベル」にとって、様々な取り組みが花開いた年でした。コロナ禍で始めたブランディング施策に加えて、レジャー旅行向けキャンペーン、インバウンドのサイトリニューアルなど、宿泊施設様やパートナー様とともに行ってきた取り組みも旅行者の皆さまに評価され、好調な実績につなげることができました。深く感謝いたします。旅行業界がめざましい回復を見せる一方で、国内外の社会情勢に目を向けると、未だ多くの不確実性に直……続きを読む
エアトリ代表取締役社長 兼 CFO 柴田裕亮氏
元旦に発生した令和 6 年能登半島地震、また翌日の 2 日には羽田空港において航空機の衝突事故が起きました。地震、事故によって犠牲となられた方々にお悔やみを申し上げると共に、被災、負傷されたすべての方々に心よりお見舞い申し上げます。また、被災地域の皆様の安全の確保を心よりお祈りいたします。エアトリグループでは現在、エアトリ旅行事業、IT オフショア開発事業、訪日旅行事業・Wi-Fi レンタル事業、メディア事業、投資事業(エアト……続きを読む
インフィニ トラベル インフォメーション代表取締役社長 植村公夫氏
2023 年 5 月に新型コロナの感染法上の位置づけが 5 類に移行、入国制限措置の撤廃により、旅行業界が待ち望んだ旅行再始動の年でした。3 年ぶりに海外と往来できるようになり、日本人出国者数もコロナ禍前の約 50%まで回復しました。2023 年は約 4 年ぶりに対面でのセミナーを開催し、その中で NDC、業務効率化、新しい収益形態(FSC&LCC)など「3 つの”New”」をご提案しました。今秋には NDC ソリューションをリリースし、ご好評をいただ……続きを読む
セーバー社日本代表/セーバーホスピタリティ支社長-日本・韓国 萩原一平氏
はじめに1月1日に発生した能登半島地震によりお亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。弊社は昨年度、成長と革新を遂げました。今年度は技術の進化、新規顧客契約、そして様々な買収を通じて築いた勢いをさらに高める年となります。昨年度はGoogle Cloud への移行と同時に、Google社の最先端の人工知能 (AI) および機械学習 (ML) 機能を使用した製品とソリューションの共同開発も進めました。同社との戦……続きを読む