プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局、日本市場復活に手応え、スポーツイベントや文化・歴史などを軸にさらなるPR展開図る
このほどプロヴァンス・アルプ・コートダジュール観光局をはじめ同地域圏内の観光局やホテルなど、14団体・企業が来日し、フランス大使館公邸で旅行業界とメディア向けにセミナーおよびワークショップを開催した。セミナーではプロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局マーケティングディレクターのヤニック・ル・マガデュール氏が2023年1~10月の日本人延べ宿泊数は前年同時期に対し164%を記録したと発表。2024年はパリで開催されるオリンピック・パラリンピックに関連する同地方での競技やイベント、2025年のセザンヌ・イヤーなどの話題を打ち出しながら、観光プロモーションを行っていく。
ル・マガデュール氏によると、プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方はフランスの観光地域としてはパリに次ぐ第2のデスティネーションで、訪れる外国人観光客は年間で約1060万人にのぼる。日本市場についても同様にパリに次いで多くの観光客が訪れる地域で、2019年の延べ宿泊数は約62万泊。新型コロナウィルスの影響による停滞を経て、2022年は約20万6000泊と2019年の3分の1ほどに復調した。2023年末の予約状況も好調であることから、「2019年の約50%まで戻るのではないか。航空座席が取りづらく、国際情勢が難しい状況ではあるが、日本市場の今後の動きに期待している」と語る。
さらに同地方では2023年ラグビーW杯の日本戦が行われ「知名度の向上につながった」と話す。2024年はマルセイユがオリンピック・パラリンピックのセーリング競技の会場となっていること、ニースでツール・ド・フランスの最終ステージが行われることから、これらもフックとして活用しながら同地方の歴史や芸術、食といった文化素材、自然、音楽フェスティバル、芸術イベントなどをアピールし、集客につなげていきたい考え。また、同地方は夏季に世界中からの観光客が集中し、その分散が課題のひとつであることから、年間晴天日数300日以上という温暖な気候を打ち出しつつ、クリスマスイベント、2月のカーニバルなど、冬季への分散も図っていきたいとしている。ル・マガデュール氏は「日本は歴史や芸術、食に対する興味も深く、ロングホールではアメリカと並ぶ重要な市場。ぜひ多くの人たちに訪れていただきたい」と訴えた。
なお、セミナー冒頭にはフィリップ・セトン駐日フランス大使が登壇し、「コロナ禍後の旅行市場復活とともに、フランスの地方観光局は日本市場に対し積極的なプロモーションを行っている。日本のメディア、旅行会社とともに観光交流の発展を目指したい」と述べている。