パリ2024の概要発表、旅行会社向けのファムツアー実施へ―フランス観光開発機構
フランス観光開発機構(アトゥーフランス)はこのほどフランス大使公邸で2024年7月26日から開催されるパリ2024オリンピック・パラリンピック(パリ2024)の概要と観光に対する取り組みを発表。「広く開かれた大会」をスローガンの一つに掲げ、オリンピック開会式をセーヌ川沿いで開催し一般人も無料参加可能とすること、競技会場にヴェルサイユ宮殿など史跡を活用することなどが発表された。またフランス観光開発機構ではオリンピック開催期間中のプロモーションとして、オリンピックを組み合わせたパリ郊外滞在を提案し、期間中の観光誘致も図る。
開会式は一般人も無料参加
大会期間の観光データ収集も
パリ2024大会組織委員会会長のトニー・エスタンゲ氏はビデオメッセージで「パリの遺産の豊かさを世界にアピールする」として、オリンピック史上初めて、開会式を競技場外で開催することを発表。オリンピック(7月26日)はセーヌ川沿いで、パラリンピック(8月8日)はコンコルド広場で行う。いずれも一部有料席は設けるものの、一般人も登録の上、無料参加可能とする。
さらにオンラインで会見に参加したパリ2024大会組織委員会事務局長のエチエンヌ・トボワ氏は「持続可能な大会を目指す」一環として建物の新規建設を抑え、パリの主要観光施設も会場として利用。ヴェルサイユ宮殿で馬術、アンヴァリッドでアーチェリー、グラン・パレでフェンシングなどの開催が予定されている。仮設および既存施設の利用率は95%になるという。さらに「フランス全土を巻き込んだ全員参加型のオリンピック」の目標のもと、マルセイユでセーリング競技を、タヒチでサーフィン競技を、サッカーの予選は国内各地で実施し、フランスを世界へ発信。フランス観光開発機構在日代表のフレデリック・マゼンク氏によると、同機構では大会期間中に観光産業に対する効果を測定しデータ収集を行い、今後のマーケティングに活用していく考えだ。
郊外宿泊を提案
旅行業界向けファムツアーの計画も
大会期間中のパリの混雑やオーバーツーリズムについて、トボワ事務局長はチケットの販売地域、枚数などは事務局で把握しており、また開会式の無料参加も登録制とすることから「おおよその来場者数はコントロールできる。パリの宿泊施設数を鑑みても、オーバーツーリズムは起こらないだろう」との見通しを述べた。治安についても「パリ警察と綿密な連携のもと取り組んでいく」と話す。
また、フランス観光開発機構ではパリ2024期間中の日本市場向けアクションプランとして、「フランスのイメージ向上を図り、滞在日数の増加を狙いたい」(マゼンク在日代表)とし、歴史遺産、美食に加えサイクリングなどのアウトドアなどをテーマとしたプロモーションを実施。パリ2024期間中は高騰するパリ滞在の代替としてディジョン、トゥールなど、パリから1時間ほどの近郊都市での宿泊を提案し、郊外の魅力も発信していきたい考えだ。
さらにオリンピック期間前に、旅行会社向けの支援としてファムツアーやメディアを通してのプロモーションを実施し、パリ2024の取り組みなどをアピールしていく。