オーバーツーリズム対策第1回会議開催、今秋にも実効性の高い対策まとめる

  • 2023年9月6日

 観光庁が事務局を務める「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に関する関係省庁対策会議」の第1回会議が9月6日開催された。髙橋一郎観光庁長官が議長に、内閣官房内閣審議官や文化庁次長、国土交通省総合政策局長などが出席した。

 キックオフとなった今回の第1回会議では、訪日及び国内旅行の回復状況と、それに伴い生じている公共交通の混雑や、交通渋滞、ゴミのポイ捨てなどの各地域での課題の共有が行われた。

 これまでは、地域ごとにマナー啓発の看板設置や入域料の徴収、入域制限、混雑の可視化などの対策が行われてきた中で、観光庁としても京都市のデジタルサイネージ等の看板整備事業や、北海道美瑛町のパークアンドライド駐車場の整備事業に支援を行ってきた。8月24日に発表した観光庁の次年度予算概算要求でも、オーバーツーリズム対策を含めた「地域における受入環境整備促進事業」に18億9600万円を要求している。

 本会議は、岸田総理が8月26日に沖縄県観光関係者との車座対話を行った後の記者会見で、観光客が集中することによって生じるオーバーツーリズムを「政府としての重要課題」としたことに端を発したもの。本会義を通しこの秋にも実効性の高い対策を取りまとめる方針だが、第2回会議日や具体策のとりまとめ予定日などは現在未定。各省庁を横断した課題となることから今後も関係各所との調整のうえ検討を進める。